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2013年の記事

 

 

 

(株)和える

■「匠の技で"本物"の乳幼児用品を」

業種:伝統工芸による乳幼児用品販売
(株)和える


「伝統産業に完全にハマったのが、そもそもの始まりでした」。(株)和える(東京都)の矢島里佳社長は、会社設立の理由をそう説明する。和えるは伝統工芸の職人に乳幼児用品の制作を委託し、匠たちの"作品"の数々を販売するベンチャー企業。慶応大学の学生ベンチャーとして立ち上がって2年余り。ここへきて、同社の取扱品が大手百貨店のキャンペーンで取り上げられたり、さまざまなメディアで紹介されるようになったりで知名度は急上昇。それに伴い業績も伸び、可能性が広がるばかりの同社である。

徳島県の本藍染で染め上げた産着セット、漆器、陶器、磁器の各特産地でつくった食べ物がこぼれない形状をした食器、湧き水ですいた和紙のボール…。和えるの商品は、いずれも伝統工芸を継承する職人たちが作り上げる。匠の技による"本物"を感性豊かな0歳−6歳児に触れてもらう。本物の値段は高いが、少子化で親や祖父母は子や孫には金を惜しまないのでビジネスチャンスは十分にある。子供が大人になったら、幼児期に慣れ親しんだものを選ぶため伝統産業の振興につながる。和えるは、こうした狙いからスタートした。

矢島さんは今春、慶大大学院を修了したばかり。大学3年生の頃、たまたま雑誌の仕事で全国各地の伝統産業を取材する機会があり、職人技に魅了された。全国の職人たちをネットワークで結んだ会社への就職を考えたが、そんな会社はなかった。"子ども×伝統産業"の市場が未開拓であることも分かり、「それなら自分でやってみよう」と起業した。

矢島さんは平成23年3月の起業に先立ち、ビジネスプランコンテスト「2009キャンパスベンチャーグランプリ」や「2010学生起業家選手権」に応募・入賞しており、そうした経験を通してビジネスプランに磨きをかけてきた。磨き上げられた、和えるのビジネスモデルは高く評価され、経産省の補助金を獲得している。

5月13−28日の「三越伊勢丹のグローバル・グリーンキャンペーン」では和えるの商品がキャンペーン対象品目となった。新聞、雑誌、テレビ、インターネットの各媒体に和えると矢島社長が頻繁に登場するようにもなってきた。「起業家、経営者で一番大切なのはビジョンを描くこと。私は何か新しい取り組みをする際に、必ず映像でイメージが見えるんです」と語る若手女性起業家の未来は大きく広がっている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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