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2010年の記事

 

 

 

アートグリーン株式会社

■起業には強い意志力が不可欠

業種:輸入切花・生花卸売・園芸資材・総合園芸コンサルタント
アートグリーン株式会社

あるベンチャービジネスの経営者に「起業する場合は、起業前から強い意志を持ち続けなければうまく行かない」と聞いたことがある。夢を夢で終わらせないために、不屈の精神力が必要だというわけだ。起業するためのビジネスモデルやコンセプトを明確にし、強い意志を持って資金調達や会社設立など初めてのことに挑戦することが必要だ。起業後も苦難の連続と予想されるが、これまた強い意志で乗り切らねばならない。

アートグリーン株式会社(東京都港区)の田中豊社長は学生時代から「25歳になったら起業しよう」と考えていたという。起業のために何をしたらいいか、人脈づくりはどうしたらいいかなどを常に考えていた。しかし、この時点では「何をやろう」ということが見つからずにいた。大学卒業後、ゴルフ場の企画会社に就職、ゴルフ場を訪れる企業のトップや役員に必ず趣味を聞くことにした。その答えは「園芸」が必ず上位を占めた。

そこで園芸をキーワードにビジネスモデルを考えたが、ビジネスモデルといえるほどのアイデアが出てこない。まず、生花店を開き、マーケット調査かたがた、顧客の話を聞くなどしてビジネスのアイデアを求め続けた。そうした中で、生花育成のための拠点を設ければ、顧客に新鮮な生花を直接届けられると思い当たった。沖縄で地元のゼネコンがバブル期に建設した温室と付帯設備を買い取った。

生産拠点は持ったものの、まだビジネスモデルとしては完成ではない。生花の中で付加価値が大きく、高級品として企業などからお祝い用のニーズが期待できる胡蝶蘭に着目した。沖縄の設備は胡蝶蘭を育てるのにうってつけである。そこで「フラスコ苗」を沖縄で育成し、これをさらに暖かい台湾に持っていき、台湾で開花前まで育てて日本に出荷するというシステムを作り上げた。

物流のネットワークも必要だが、東京や大阪など大都市圏で自社の流通網を構築し、夜間配送も可能にした。昼間は企業の慶弔用、夜は飲食店への配送である。ただ、アートグリーンというブランドは知名度がなかったころから、有名生花店とタイアップしたり、商社ルートを活用したりと様々なアイデアを実現した。今では上場も視野に入るほど成長しているが、起業するという強い意志こそが成長の原動力になっていることは言うまでもない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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