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2010年の記事

 

 

 

(株)中央食鶏

■「新たな健康調味料の分野を開拓」

業種:鶏の内臓を主原料にした調味料製造
(株)中央食鶏

原材料から捨てる部分なく使って製品にしたい。こういう想いは多くの企業が抱いているのではないか。(株)中央食鶏(北海道三笠市:加藤厚雄代表取締役)は今年で創業31年目。北海道内の約60%に相当する年間160万〜170万羽の鶏を生きたまま引き取り、鶏肉を加工し、ハムやスープの食品メーカー相手に取引を行ってきた。

実は、製品になる肉の部分と羽や骨など製品として使用できないところ以外に約30%内臓部分が残る。全て、産業廃棄物として有償廃棄していたが、平成17年、2年後に改正食品リサイクル法が施行されるのを見越し、何とか捨てていた部分を調味料にできないか研究を始めた。「かつてモンゴルでは羊を血の一滴たりとも捨てなかった。必ずできる。」そう信じて挑戦した。

しかし、簡単ではない。難敵は「雑菌」と「臭い」。特に内臓独特の臭いはなかなか消せなかった。道庁の研究施設を利用し、仲間にも相談し、苦悩は実に2年半にも及んだ。ついに平成19年春に、鶏の内臓を主原料にした調味料を完成させ、試験販売を経て、今年2月に本格販売にこぎつけた。不思議なくらい臭いがない。大豆を使っておらず、醤油ではないので、「鶏醤(けいしょう)」と名付けた。

高アミノ酸・低カロリー・低脂肪とヘルシーで、かつ無添加、非加熱である、安全・安心な製品に仕上がった鶏醤。課題は販路開拓だ。今まで加工鶏肉を取引している間は営業をしたことがなかったという。それでも鶏醤の開発にかけた2年半の間、「いいものを作れば売れるはず」と自信を持っていた。しかし、現実はそうはいかない。スーパーと取引するには量が必要だが、手作りということもあり、出荷できる量に限界がある。

また、専門店からは「店舗に並べるのに一つの製品だと置けない」と言われた。そこで、昨年度には、農商工連携事業の認定を取得し、鶏醤をベースに地元食材を使った「鶏醤りんごポン酢」「鶏醤玉ねぎドレッシング」も完成させた。少しずつだが、ホテルなど業務用やネット販売などで出始めている。(株)中央食鶏の挑戦はこれからも続く。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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