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2003年の記事

 

 

 

 

 

第一施設工業(株)

 

外部資源を活用して経営の弱点をカバー!
業種:機械メーカー
第一施設工業(株)

「他社の真似をしない製品づくりを第一に、“他をもって替えがたい企業”への取組が事業拡大の力となっている」と語るのは、下請企業から自社ブランドを持つ機械メーカーへと転じ、長引く景気低迷にもかかわらず成長を続ける「第一施設工業(株)」(福岡市東区、従業員数60人)の篠原社長。

同社は、もともとエレベーターの据付・メンテナンス業者だったが、会社設立23年目の昭和63年に“第2の創業”を宣言。通常速度の倍という毎分120メートルの超高速垂直搬送機「ハイリフター」を開発。これを手始めに第2弾、第3弾のオリジナル製品を世に出した。そのたびに企業スケールをアップし、自社ブランドの製品で独自市場を開拓する企業へと変身した。

この成長過程で同社が重視したのが外部資源の活用。地元での異業種交流で視野を広げ、大企業の技術者や大学のOBといった外部の頭脳を招へいして研究開発を進め、販売力を補うため、東京で開催される専門展示会に積極参加して製品PRを行うと同時に、顧客ニーズを吸収して製品開発に役立てた。更には財務体質を強化するアドバイザーグループを設け、資金調達の一環として、育成資金などの公的制度も積極活用したという。

目下は、韓国、台湾の企業と組み、物体を空気の力で浮かせて搬送する非接触搬送装置「マジックムーブ」を製品化し、これを機に海外市場にも進出。2年後には株式公開を目指す勢いにある。

「自社で足りないものは外部(周囲)の力を借りて経営基盤を充実する、言わば“土星作戦”で進む方向が見えてきた」と述懐する篠原社長。外部資源をうまく活用し、中小企業の弱点といわれる情報力、資金力、販売力などをカバーしている好例といえよう。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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