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2012年の記事

 

 

 

株式会社風向

■「ヨットで癒しの空間を」

業種:ヨットによる観光業
株式会社風向


「高松から近い瀬戸内海の女木島、男木島、小豆島などをもっと活性化させるために何かできないか」―地元の中小企業経営者らが熱心に議論を交わした。約1年かけて出てきた結論は、ヨットで瀬戸内海の島々をクルーズするという案だった。そして平成22年12月、仲間の共同出資でこの事業を行う会社を設立した。

そのきっかけをつくったのが「四国サイコーダイガク」。中小機構四国支部が実施する事業で、地域ビジネス開発により地域活性化を目指すものだ。共同出資会社名は(株)風向(ふうこう)(高松市)。そして設立1年後に現在の代表取締役に就いたのが堀尾明代氏。同社の役員、関係者ら9人はいずれも多忙な企業経営の傍ら参加し、堀尾氏も女性経営者として英会話学校を営む。

ヨットといえば誰しもが大きな揺れを不安がるだろうが、同社のヨットは定員18人のフランス製の双胴船で安定しており、しかも時速10キロとゆっくり航行するので安全、安心。フィリピンのセブ島で使っていた中古船を仲間の出資で購入したものだ。「近辺にはフェリーはあったが、このような優雅で癒される空間を作り出すクルーズはこれまでなかった」(堀尾氏)と期待する。

海の近くで育った同氏は「瀬戸内海は地元の宝物」というほど愛着を持つ。これを実際に体験してもらうため様々な企画メニューを提案していく計画。半日チャーターは料金が3万6000円、1日が6万円。半日で10人なら1人3600円という計算で極めてリーズナブルな料金設定で進める予定。夕日を楽しむサンセットクルーズや企業の新人研修、海上ミーティングのクルーズ、島での民泊なども計画する。

3月からシーズンインした今年は実質的な事業初年度。仲間やファン、リピーターを増やすため風向の会員募集(会費無料)を始める。「風向だより」のメールを会員に流し、行事、クルーズの中身などの情報を積極的に発信するという。地域の魅力を、そこに住む自分たちで見つめ直しビジネス化しようとする試みは、「地方の時代」を象徴する動き。地道な取り組みに期待したい。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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