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2004年の記事

 

 

 

 

 

(株)ジェネティックラボ

 

思いを一つに発展!“産学連携ベンチャー”
業種:バイオ技術を駆使した最先端の医療診断サービス
(株)ジェネティックラボ

今や右も左も産学連携、産学共同流行りだが「最初から産学連携を狙って形だけ作ってもダメ。患者のために新しい診断技術を作りたいという熱い思いの人たちが集まり、その思いを一つにしてやってきた結果が産学連携のベンチャービジネスだった」と振り返るのは、高齢化社会に必須な“予防診断”サービスを標榜し,バイオ技術を駆使して最先端の医療診断サービスを提供している「(株)ジェネティックラボ」(札幌市、従業員19名)の西村社長。

同社は2000年9月設立の若い企業。90年代後半、テーラーメイド医療(個の医療)が話題となっていた頃に外資系の製薬会社に勤務していた西村社長は、「遺伝子診断の実現を目指したベンチャー企業を日本で作りたい」と考え、遺伝子診断の現場で使える高精度な「DNAアレイ(遺伝子解析装置)」の商品化に着手した。

このDNAアレイ。「簡単に言うと遺伝子を貼り付けた紙のようなもの」と西村社長は説明する。それを使って遺伝子を解析し、病気の有無や病状の進み具合を診断して適切な治療につなげるという、最先端のバイオ診断技術・装置である。がん治療などへの貢献にも大きな期待が寄せられており、既存のDNAチップと異なり、一度に多量のサンプルの遺伝子発現を正確に解析できるの
が特色だと言う。

このDNAアレイを如何に創薬分野に展開させるべきかが大きな経営課題となる中で、同社は全国の大学に共同研究を呼びかけた。この呼びかけにいち早く応えたのが北海道大学大学院医学研究科の吉木教授であった。日頃の研究成果を診断・治療に生かしたいとする教授側の“思い”が合致し、両者によるコンソーシアムが出来上がった。これが同社の出発点となったのである。

一方で、国立大学教員の兼業禁止規定が緩和されるという産学連携を促す時代の後押しも生まれ、吉木教授は、同社の代表取締役会長として参加。「我が国初の国立大学発ベンチャー企業」の誕生としても話題を呼んでいる。

設立後間もないベンチャー企業であるが、社会的評価は急速に高まっており、大学の英知も着実に花を咲かせつつある。より高度な病理診断技術、創薬技術の開発に取り組む同社は、更なる可能性を秘めたバイオベンチャー企業として、今後の活動が多いに注目される。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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