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2013年の記事

 

 

 

(株)日本レーザー

■「反面教師に学び、独自の経営スタイル確立」

業種:レーザー関連製品の販売
(株)日本レーザー


新卒一括採用、終身雇用、年功序列、企業内組合…。これらを基本要素とする、いわゆる日本型経営の限界が言われて久しい。一方で、成果主義、能力主義に基づく米国型の経営手法もいくつもの問題点が指摘され、ポスト日本型経営の担い手とはなりえていない。そんななか「進化した日本的経営」を標榜、実践して、高く評価されているのが(株)日本レーザー(東京都)だ。進化した日本的経営とは一体、何なのか…。

2年前(平成23年)、法政大学や日刊工業新聞社などによる「第1回日本で一番大切にしたい会社」大賞で中小企業庁長官賞を受賞した。昨年(平成24年)秋には東京商工会議所の「第10回勇気ある経営大賞」で大賞の栄誉に輝いた。本業は社名が表す通り、レーザー関連製品の取り扱い。輸入販売が主力だが、独自ブランドを持ち自社製品の開発にも力を入れる。社員は50人規模ながら年商は40億円に達する。

今日の同社を形作った近藤宣之社長は、日本電子で労組委員長、最年少役員などのキャリアを積んだ。近藤さんが労組委員長時代の日本電子は厳しい経営状況にあった。20年ほど前、日本電子の子会社で、当時、万年赤字だった日本レーザーの社長に就いた。「私は日本電子、二つの米国子会社、日本レーザーと経営が難しくなった会社を4度、経験した」。近藤社長はそう語っている。

この"貴重な経験"から近藤社長は「今も昔も変わらないという前提で経営し、変化に対応できない」「マネジメント層で情報が共有されない」といった駄目な会社の共通項を見いだした。共通項を反面教師に導き出したのが、進化した日本的経営。それは、働く意欲がある人には何歳でも働いてもらう生涯雇用、性別・学歴・国籍などにとらわれないダイバーシティー(多様性)重視、社員の成長や自己実現を支える「チャンス・アンド・チャレンジ」の企業風土づくり、助け合い・分かち合いの理念経営−が骨子となる。

「社長の仕事は二つしかない。社員が頑張れば利益が出て事業が発展・存続するビジネスモデルをつくることと、社員のモチベーションが上がる仕組みをつくることです」(近藤社長)。同社は平成19年にMEBOという経営陣、社員一体の株式買い取りによって親会社の日本電子から独立。全社員が株主という仕組みをつくった。社員らのモチベーション向上に大いに寄与して、その後、業績は伸び続けている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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