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2008年の記事

 

 

 

 

 

株式会社モリタ

 

■社員は宝

業種:自動車部品製造と産業機械や工作機械販売
株式会社モリタ


「社員は人材ではなく“人財”。一人ひとりがわが社の宝」というのは自動車部品を製造するとともに産業機械の販売も行う株式会社モリタ(宮崎県宮崎郡佐土原町)の森田邦宏社長。

同社は自動車部品などを供給する製造部門と産業機械や工作機械を販売する商社部門のふたつの顔を持つ。「売りと作りの分野が両輪となり、共存してきた。その結果、お客さんも増えてきた」と森田社長は振り返る。1989年(平成元年)末月、22年間務めた株式会社ホンダロックを退職し、翌年有限会社モリタを創業したのは48歳のとき。当初は商社としてスタートした。発足当初1年、それまで「自分を支えてくれていた後ろ盾を失い」苦労の連続を味わう。しかし「ご用聞きでなく付加価値を出していく」ことに仕事の方向性を定めてからは、次第に顧客の支持が得られるようになっていった。

転機が訪れたのは1996年。宮崎県内で工場を操業していた企業が、本社のある山梨県へ事業を集約することになり、その工場の存続が危ぶまれる事態となった。この社長と旧知だった森田さんに引き継ぎの白羽の矢が立った。「モノ作りに不安があった」が「森田以外にやらせない」という先方社長の強い意向に加え、当時、同工場に働いていた50人以上の社員の雇用をまもらなければという熱情と使命感から、引継ぎを決断する。現在の同社宮崎工場がそれで、自動車部品の製造がメーン。ホンダロック向けを手始めに品数、顧客を徐々に増やしていくことに成功する。社員は宝、と社員を格別大事にした森田社長、この創業以来の経験がそうさせたのだ。同時に「徹底的に下請けに徹する」として納入先のニーズを徹底的に汲み取ろうとするものだ。半面「ただの手間賃稼ぎにながされず、付加価値を生む技術の創意工夫も怠らない。人材にとどまらず“人財”として待遇するのは、単なる下請けになってはならないという強い企業理念が裏打ちされている。

同社の身体障害者雇用率は実に14・4%(換算値)。法定雇用率の1・8%を大きく上回る。「障害者であっても分け隔てしない。一人の人間として独り立ちさせるのが私の役目」と森田社長はする。社員は宝と大事にする企業理念はここにも大きく脈打っている。いまや、通信機器、電子部品にも製造分野は広がり、従業員も190名に膨らんでいる。同社の人財路線はフル回転だ。




著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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