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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)カジワラ

 

独創技術でリーディングメーカー!
業種:食品加工機械メーカー
(株)カジワラ

「お客様のニーズに応えるとともに、時代の要請も常に念頭に置いている」と語りながら商品開発にあたっているのは、東京・浅草の合羽橋道具街に本拠を構える食品加工機械のリーディングメーカー、(株)カジワラ(従業員203名)の梶原社長。

同社は、あんを作る機械をはじめ、画期的な食品加工機械を次々と開発。これらはカレー、スープ、ソース、たれ、冷凍食品など、加熱攪拌するあらゆる食品の製造に使用され、今や味作りの中枢を担うベーシックマシンとしてトップブランドの地位を占めている。

創業は戦前の1939年。町工場の職人だった梶原社長の父親が独立し、自分の工場を持ったことに始まる。当初は、蒲鉾製造機械の修理、小型のチョッパー(魚肉を挽く機械)の製作などをしていたが、「機械の病院」の看板を掲げ、徐々に様々な機械の修理も行い、事業の幅を広げていった。浅草の合羽橋は、戦前から道具の街であったが、戦後は、神田や錦糸町のお菓子関係の道具
屋が集まる菓子道具の街へと変貌。同社も次第にお菓子関係の機械の製造・修理に特化した。あんを作る機械の開発はここから始まった。

「加熱しながら練る」技術は他社の追随を許さない。同社には「独創」を生む土壌が培われている。1964年に「煮炊攪拌機」が御法川発明賞、通産大臣賞を相次いで受賞。これを契機にオリジナル製品作りに拍車がかかった。梶原社長は「顧客のニーズに一所懸命応えようとする技術と、これに時代の流れを読んだ技術の両輪が技術戦略の基本にある」と言う。開発の心臓部である設計会議には社長自ら顔を出し、技術陣に次々と新たな課題、自由で新しい発想を投げかけた。技術陣も「びっくりするような技術上の注文が出るが、社長の指摘は刺激的」と奮い立った。中小企業にとって高度な技術の開発とともに技術の継承も重要だ。同社には「カジワラ塾」という勉強会があり、これまで蓄積されてきた「匠の技術」がベテランから若手へと受け継がれている。

料理の鉄人の「勘」と「経験」に基づく調理技術を科学的に自動化する「フードメーション」にあくなき挑戦を行う同社。食の時代が大きく広がろうとしている中で、大きな未来可能性が期待される一方、改めて食品機械メーカーとしての真価が問われようとしている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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