東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2006年の記事

 

 

 

 

 

菊池食品工業株式会社

 

■老舗とは守るものではなく攻めてこそ発展

業種:食品メーカー
菊池食品工業株式会社

大正3年、1914年の創業といえば、相当の歴史であり老舗だ。煮豆、佃煮、惣菜一筋で、間もなく一世紀になる菊池食品工業株式会社(東京都板橋区、菊池幸社長)が、その老舗の食品メーカーである。しかし古くさくはない。創業以来、原則添加物を使わず、“安心・安全”にこだわってきたというと、いかにも保守的、頑固と見られがちだが、それがどっこい、のびのびとした攻めの戦略で業容を拡大してきた。伝統を守るに必死で、結果、時代に置き去りにされるのではなく、老舗という“信用”を土台に、新しい課題への挑戦を加速させる若々しいメーカーの姿がそこにある。

1999年は同社のエポックであった。同社が伝統的に強みとしてきた黒豆部門が同社の新たなページを開く新商品を生んだのだ。健康飲料「黒豆エキス サラサラ」がそれ。黒豆の持つ健康性に着目し、長い間、研究を重ね、黒豆の煮汁を濃縮した画期的な健康飲料で、満を持して市場投入したもの。同時に、顧客との新しい取引関係を築こうと、「サラサラ」の販売を同社としては初めて通信販売だけで売り出した。大当たり。時代の健康志向というタイミングと、「One to One」コミュニケーションという新しい売り方が相乗して、市場をつかんだのだ。2003年、ベルギーで開かれた食品コンクール、モンドセレクションで金賞を獲得するという朗報も追い風となった。同コンクールは世界的に権威のあるコンクールで、とくに金賞は「食のノーベル賞」ともされ、市場の評価は高い。そのうえ、同社は以後、 3年連続で同賞を受賞、このことで「国際優秀品質賞」の受賞もする。2003年10月、銀座 6丁目に、アンテナショップ「銀座黒豆エキス研究所」をオープンした。同社にとって新しい装いの出陣となった。

もちろん、新分野ばかりに傾斜している訳ではない。「黒豆の菊池」といわれる同社、本来の煮豆の基盤固めも着々、怠りない。埼玉の煮豆工場をしっかり固める一方、佃煮・惣菜専門工場を函館に開いている。「マネされても、マネするな」(菊池社長)が同社のポリシー。伝統商品群を固める一方、食品市場の風の変化をかぎとりながら、柔軟に、オリジナル商品の開発、商品化に挑んでいる。
 



著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2006年の記事に戻る