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2003年の記事

 

 

 

 

 

協業組合いしがき手作り館

 

10枚が20万枚に!大化けした沖縄Tシャツ
業種:「海人(うみんちゅ)」ブランドTシャツ
協業組合いしがき手作り館

「商売を始めた頃は年間10枚程度しか売れず、いつ店終いしようかと考えていた。ところが一度評判になると、ブランド商品として爆発的な人気を呼び、今や販売枚数は年間20万枚を超える程になった」と、意外な経営展開を語るのは、沖縄県発祥の「海人(うみんちゅ)」ブランドTシャツで急成長する「協業組合いしがき手作り館」(沖縄県石垣市、従業員数45人)のリーダー、白川理事長。

今日に至るまでの経緯はまさにドラマチックだった。それは1978年、石垣島を訪れるダイバーを対象に小さな店を開いたところから始まる。主たる商品は「海人Tシャツ」。当時は殆どが売れ残り、苦しい日々が続いたという。火がついたのは10年程前。地元の高校生の間で流行だしたのをきっかけに、沖縄に来る観光客の間でも評判となった海人Tシャツは、ブランド商品として人気化。その後も口コミで広がり、全国的なブームを巻き起こすまでになった。

「海人」とは、「海の好きな人」、「海で遊ぶ人」、「大海の心を持つ人」という意味を持つ。沖縄の情緒を入れ込んだ漢字Tシャツのデザインは、いかにもユニークで、人目を引いた。店では更にお客様の好みのデザインを店舗で受け付け、そのデータをネットで工場へ送信してプリント作成した。「丈夫で長持ち」を謳った品質保証も好評を得た一因だが、「海人の2文字には人と人の出会い、心の癒しといったメッセージが込められている。その想いが人気化した背景」と白川理事長は受け止めている。

1999年には、本格的な店舗展開と専門工場の拡充を背景に協業組合に転換。異業種の専門家が協業化して経営に当たるという考え方で、デザインから製作、卸、小売販売までの事業体制を構築し、現在では沖縄県内に直営店5店舗、フランチャイズチェーン(FC)3店舗と2カ所の自前工場を持つ。

その勢いに乗って、創業25周年に当たる今年度から、直営店の県外進出とFCの全国展開に踏み切る。県外に4店舗、FCを250店舗設けることが目標だという。更に、ハワイでの直営店経営という夢も描き始めた。沖縄の青い海から始まったブランド戦略に、中小企業ならではのダイナミックなドラマを垣間見る思いがする。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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