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2008年の記事

 

 

 

 

 

株式会社丸加

 

■一芸に徹する

業種:高級スカーフ製造
株式会社丸加


一筋の道を極める。これもまたビジネスのひとつの姿だ。とはいえ一筋道を歩み続けるのは、言葉で言うほど簡単なことではない。伝統を発展させながら守っていく、このことはなかなかに至難の業であり、ビジネスの苦労は多い。

所は横浜。寒村からいまや指折りの国際都市に変貌した歴史の街。繊維製品の加工貿易地として急速に発展してきた。株式会社丸加(横浜市中区、蟹江信之社長)はこの横浜の発展変化の中にあり、しかも捺染技術を基本に高級スカーフ一筋に、頑固に今日の経営を切り開いてきた。

株式会社設立は1952年(昭和27年)10月。明治以来この地に入ってきていた捺染技術、繊維製品技術が伝統的にある。これをコーディネートして、戦後、同社は高級スカーフに絞って業容を拡大してきた。「伝統横濱スカーフ」と銘打ったこだわりのブランドで生産販売を続け、いまや丸加の高級スカーフとして内外に需要を広げる。横浜はかつて八王子と結ぶ“シルクロード”によって固く結ばれて日本の代表的な絹繊維製品河口地帯を形成、盛んな輸出も行った華やかな歴史を持つ。いまや時代は大変貌し、地場産業となっていた捺染技術、繊維製品技術を守りきる企業は数えるほどになってしまった。アジア途上国の安値攻勢があったことは多くの知るところだ。しかし、技術を磨き、高級化を図って、途上国の追随を許さなかった企業もある。株式会社丸加はその典型企業だ。捺染技術の高度化、コンピュータ化も図りつつ、肝心なポイントは職人技を大事に残し、デザイナーも一級を配し、高級スカーフのレベルを守り続けた。もちろん、スカーフのみでなく、ハンカチーフ、マフラーと品目も広げているが、ファッション性を大事にした。店舗もコツコツ増やし、品の良い店の雰囲気を崩さない。

他社のまねを許さない独自性を常に追求しているのが同社のポイントだ。一筋道からぶれない。若手のデザイナーも育てながら、世界のファッション動向にも鋭い目線を送り続けている。







著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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