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元気な企業(最新)

2004年の記事

 

 

 

 

 

(株)森川ゲージ製作所

 

自社技術に磨きをかけつつ異業種企業からも学ぶ!
業種:各種ゲージ、治具、精密測定具製造
(株)森川ゲージ製作所

個性的な中小企業を見てみると、時折、技術者、技能者を大事に育てている企業にぶつかる。「ウチには技能オリンピックの選手から現代の名工まで揃っています」と技術人材を大事にする経営を地で行くのは、「(株)森川ゲージ製作所」(香川県三木町、従業員45名)の森川社長。

かと言って、決して自社の技術におぼれず、異業種他社との交流にも積極的。自社だけでは到達し得ない高度な技術を獲得する開放性・柔軟性も同社は兼ね備えている。

1955年(昭和30年)に、各種ゲージ、治具、精密測定具のメーカーとして創業した同社は、技術一筋に、サブミクロン
(1/10,000mm)単位の精密加工技術や流体工学の知識をベースに、油圧機器などの設計製造分野へと事業を拡大してきた。近年では、更に新分野としてセラミックス製品の加工、物流機器、食品関連機器などの研究開発にも取り組み、“ヒューマンエンジニアリング”をコンセプトに、「いかなる環境変化にも適用でき、挑戦してゆく会社」を目指している。

こうした技術力を作り上げた背景には、同社独自の教育システムがある。「森川ゲージ技能士会」を社内に組織、年間を通しての教育・訓練計画のもとに、全社員を対象にした職業能力開発を行っている。教育熱心な企業風土をベースにして、創業以来、「技能オリンピック」に出場して好成績を修めたり、工場長が「現代の名工」に選ばれるなど、技術・技能を尊重する企業風土が見事に
花開き、社内に蓄積された優秀な技術の伝承がスムーズに行われている。

一方で、「経営資源の乏しい中小企業にとって、施策を活用した開発や異業種交流会への参加は重要」との考えから、異業種企業との共同研究に積極的に取り組む対外性を持つのも同社の特徴。異業種交流プラザ「かがわプラザ91」に参加し、豆腐パック自動整列機を共同開発したり、中小企業8社による異業種交流組織「ラックプラザ21」に参画し、人間の動作をまねて動くロボット
を共同開発するなど、自社内にこもりがちな技術企業に陥らない広がりを持っている。

高度な自社技術の練磨・伝承に取り組みつつ、外部からも積極的に“学ぶ”姿勢の同社。これからも楽しみが膨らんでいく。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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