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2012年の記事

 

 

 

なかせき商事(株)

■「社員の人間力が武器」

業種:石油製品など燃料小売業
なかせき商事(株)


「企業の基本は人」とよく言われる。だが中小企業にとっては教育にかけられる資源には限りがある。このような中、「会社が生き残っていくためには外部機関を活用した人の教育が最も重要だ」との方針で社員教育を推進する企業が北海道にある。

昭和24年4月、出光興産北海道支店第1号販売店として創業し、石油製品など燃料小売業を中心に営んできた「なかせき商事(株)」。稚内市で創業、現在、稚内本社、旭川本社などのほか4つの系列会社を持つ。平成15年に社長に就任した刀根英二氏は、若い時から中小企業大学校旭川校などの外部機関の研修に継続的に参加し、「企業内ではできない研修内容や道内の異業種の方との交流を経験した」。

販売分野が中心でしかも競争相手の多い同社は「扱う商品に付加価値をつけて買ってもらうしかない」との方針で進む。それは「社員の人間力だ」という。すなわち「お客様が困っているとき利益に関係なくやる、そういう人間性、人情味のある仕事の仕方をする社員が何人いるかしかない」。

「新規事業で会社は10年もつというが、人間力のある社員が育てば20年でも30年でももつ」とも。このため社内の若い人には日常の生活から隔離できる泊りがけの研修に参加させる。その方が効果は高まるからだという。研修後は必ず社内で発表会を開く。習ったことを他の人に伝えることで自分のものにもなるとの信念からだ。

年1回策定している経営方針について、経営理念を含めて浸透させるため社員に関連部分を自筆で書き写し、提出させることも行う。また新規事業の多い4つの系列会社に40歳代前半を中心に、育て上げた人材を経営者として送り込んでいる。「現状維持路線では企業の退歩につながり、成長・発展するには前へ打って出るしかない」との基本戦略を、さまざまな研修で育った人材がこうして支える。中小企業の人の育成はトップの信念と行動次第といえる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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