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2008年の記事

 

 

 

 

ナミテイ株式会社

 

異型線材加工で培った特異技術を生かす

業種:光ファイバー保護材製造等
ナミテイ株式会社

ものづくり中小企業で、製造比率が全体の半分も占める製品が、突然発注ストップとなったらどうするか。当然深刻な経営危機に陥るだろうから、まずどんな内容の仕事であれ、仕事量の確保に走るだろう。ただ、その際忘れてならないのは、自社の技術の軸がブレることなく、他分野への開拓に全力を尽くすということだ。その典型例を中小企業の町、東大阪市に本社を置くナミテイ(村尾雅嗣社長)に見ることができる。

同社は2000年のITバブル崩壊の直撃を受け、当時製造比率55%だった製品受注が停止した。その製品とは、光ファイバーケーブルを海底に敷設するための保護材。これを製造できるのは世界で3社しかなく、国内では唯一のメーカーだ。発注が止まったとき、最も留意したのは保有技術の延長線上ででき、しかもよそでは真似ができず、同社でしかできない加工ならびに製品を開拓することだった。生きるか死ぬかの非常時の場合、最悪の事態を避けたいあまり仕事を安請け合いしがちになる。だが同社の軸はブレなかった。

光ファイバーケーブルの保護材は、平たく言えば扇形の線材を3つ組み合わせて円筒状にし、中の空洞部分に光ケーブルを通す。線材の長さは1本が何と55キロメートルにもなる。強度の高い材料と厳しい加工精度が要求される。 これを実現させたのは、ひたすら異型線材加工に特化した事業を行い、これに関しては他の追随を許さない技術を持っていたためだった。

異型線とは、丸や四角といった一般的な断面形状ではなくニーズに応じて様々な断面形状を持つ。電子機器部品や建築材料向けなど用途に応じて形状は千差万別。こうした特異な異型線材加工技術があったことから、当時需要が増え、しかも他社が真似できない光ファイバー保護材分野に傾斜したとしてもやむを得ぬことであった。だが同社のそれ以降の大胆な方向転換は、その製品の発注ストップから始まったのだから分からないものである。

それまで培った技術に自信とこだわりを持つ村尾社長は、自動車のシートベルトに使用される軸用鋼材をシートベルトメーカーと共同開発。同社の製造品目は今や自動車部品関連が55%に。光ファイバー保護材は10数%だから、光ファイバー保護材なしでも会社が立ち行く体質になった。そのほかにも異型線を使った様々な分野での開発を進める。完全復調した同社は2007年に中小企業庁の「元気なモノ作り300社」に選定された。 ピンチをチャンスに変えるには、まず自社の存立基盤である技術にこだわりを持ち、そこを出発点に他分野への応用を冷静に見極めることである。軸がブレず、特異技術の適用を追求する―これをやり切る企業が緊急時にも勝ち残っていけるのであろう。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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