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(株)ニッシン自動車工業

■「使いやすさの追求が安全性の向上−障害者用運転装置」

業種:障害者用車両等製造
(株)ニッシン自動車工業


自らの事故体験を基に、手や足が不自由な人向けに考案・開発した手動運転装置や車いす収納装置などの関連装置で、多くの人に希望を与えている会社がある。

ニッシン自動車工業(埼玉県加須市)の亀田藤雄社長は、自動車整備士時代に事故に遭遇、脊髄を損傷した。職場復帰後に、自らの移動用に運転装置を作ったところ、リハビリ施設の仲間から「同じモノを作って欲しい」と要望が入るようになり、起業を決心する。

「自分自身、足が不自由なので、とにかく自分が乗りやすい装置の開発を追求してきた。使いやすさの追求は結果的に安全性向上につながる」(亀田社長)と、顧客一人ひとりから細かく要望をヒアリングし、オーダーメードで対応。丁寧な仕事ぶりと、運転装置の操作性の良さが評判を呼び、北海道から沖縄まで同社を訪れる顧客は後を絶たない。

来年(平成25年)で主力製品の「APドライブ」発売から40年を迎える。これに合わせ、今年から3年間で47都道府県を周り、運転補助装置を保守・点検する「全国アフターケアキャンペーン」を始めるという。各県の障害者協会と連携し、他社製品も含めて安全をチェック。必要であれば部品も取り換える。

「体の状態は千差万別で、開発には終わりがない」(同)と、現在もユーザーの声を反映させてさまざまな角度から製品ラインアップ拡充に取り組む。障害や普段の生活習慣まで丁寧にヒアリングして最も適した装置を提案・提供するスタイルは創業当時からのもので、製品開発とシェア拡大には亀田社長の当事者視点が根本にある。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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