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2012年の記事

 

 

 

(株)セゾンファクトリー

■「伝統の味を守りたい」

業種:手作りジャム製造
(株)セゾンファクトリー


平成元年の春、豊かな自然に恵まれた山形県高畠町に小さなジャム工場ができた。旬の素材にこだわり製造も人の手だけで行った。このスタート時の原点が今なお続き、これがやがて世の中に広く受け入れられるところとなり、現在では北海道から九州まで地域一番店の百貨店を中心に30店舗を展開する食品製造販売会社に成長した。

(株)セゾンファクトリー(山形県高畠町、齋藤峰彰社長)がその企業で、社名は素材にこだわる旬の工場を意味する。現在はジャム、ドレッシング、飲料が柱で、新たな分野としてプリンなどのデザート分野にも力を入れている。果物や野菜など国内中心に旬の高級素材を独自に調達し、自社工場ですべてを「人の手の力」によって商品化する。

齋藤社長は「作った量だけを売る。安全・安心で価値のあるおいしさを追求する」と強調する。すなわち一般の量産化とは一線を画し、数量限定の商品を提供するスタイルを貫いている。製造段階では例えば、調理に大きな鍋ではなく小さな鍋を使うなど職人一人ひとりが目の届く範囲の作業環境をつくり、素材の味を引き出すことに最大限注力する。

成長の秘密は、差別化された価値ある商品を、消費者の信頼のあつい地域一番店の百貨店などで売るという、見事な販売戦略にもある。しかも同社の商品は他社で真似ができにくいことから、自社で価格を形成できるという側面も持つ。創業時の原点を踏まえ、試行錯誤を重ねながらも一流の商品作りと販売に成功しているといえる。

こうした経営戦略が若者にも支持され、平成20年度から始めたリクルートを通じた新卒の採用でのエントリーは平成21年度に約1600人、平成23年度には何と3000人を超えた。社員約280人、平均年齢30歳前後の若さが成長の原動力にもなっている。同社長は「ブランドづくりは人づくり」とし、社員個々の向上心と人間力が会社を成長させるとの信念を持つ。今後どこまで飛躍するのか、目を離せない企業の一つといえる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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