東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2007年の記事

 

 

 

株式会社スエヒロEPM

 

■中小企業の強みは全社集中できること

業種:スクリュープレス搾油機製造
株式会社スエヒロEPM


「中小企業の強みは全社集中できること。ひとつに特化できることだ」と株式会社スエヒロEPM(三重県四日市市)の佐久間裕之社長は力強く、中小企業の優位点を上げた。同社は従業員40名だが、スクリュープレス搾油機の国内シェア95%という圧倒的強さを誇る。「どの企業の追随も許さない、オンリーワン企業をこれからも進んでいきたい」とモノ作り中小企業の底力を地で行く企業だ。

創業は1953年(昭和28年)。有限会社末広鉄工場としてスタートした。食用搾油機の国産化を目標に、はじめは外国製品のコピーから取り組んだ。さまざまな試行錯誤を重ねながら、自社ブランドの必要性を痛感、オリジナル技術によるスクリュープレス搾油機の開発、商品化に到達、今日の圧倒的シェア獲得への道を開いていく。後継の佐久間社長、創業者の集中力こそが同社のいまを築いたとする。「創業者はあまり器用ではなかった。これしかないとまっしぐらに進んだのですね。他のメーカーの方々は、(搾油機は)いくつもの分野のひとつでしたから」とへりくだりながら、選択と集中の差を言外ににおわす。

搾油機だけではない。近くの飼料メーカーの外国製機械を偶然修理したことがきっかけとなって、エクストルーダー(粉砕、混合から押出し成形までの多機能飼料製造機)の有望性をキャッチ、搾油機開発で培った技術・ノウハウをもとにエクストルーダーの国産化に取り組み、成功、新たな柱に育てあげている。失敗を恐れず、自社技術を豊かに蓄えていく同社の社風はこうした歴史の中ではぐくまれてきた。

独自技術を大切にしながら、新しい機械の開発に積極的に取り組む同社は、わが国の基盤を支えるモノ作り中小企業の優れたモデルだ。昨年、経済産業省は元気なモノ作り中小企業 300社に同社を選定した。その佐久間社長は、いま新しい引き合いの急増に大わらわだ。エタノールブームがそれだ。搾油機のトップの同社にエタノール業界が押し寄せてきたのだ。同社の技術者が次々、海外の引き合い先との交渉に飛び立っている。ビッグチャンス到来、と周囲ははやす。しかし佐久間社長「そうなればいいですがね」と冷静に対応する毎日だ。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2007年の記事に戻る