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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)スワニー

 

夢とアイデアと行動力があれば出来る!新事業への挑戦
業種:手袋メーカー・杖代わりにもなるカバン製造
(株)スワニー

「何故、新商品の販売に苦戦するのか。それは(お客さんが)効用が分からなかったからだ。だから私の経験、ドラマを売ることにした」と、ヒットのきっかけを語るのは「(株)スワニー」(香川県、従業員70名)の三好社長。

同社は香川県の東讃地区に本拠を置く老舗の手袋メーカー。同地区は日本最大の手袋産地。昭和40年代後半には、生産拠点を韓国、中国に移し、国内の3工場を閉鎖したが、安価な輸入品が流入。昭和60年頃から業界の経営環境は一段と悪化した。

「手袋に依存したままで良いのか…」。強い経営の危機意識から、同社は年間を通じて販売出来る商品を模索した。そして、三好社長の体験から発想された「杖代わりにもなるカバン」というユニークなバッグの開発・事業化に挑戦。異業種参入とあって、一人の担当者が全国のカバン店を営業して回り、最終的には取扱店を400店舗にまで拡大したが、売上げは伸びなかった。本業の手
袋の売上げが好転しない中、経営会議では幹部全員がカバン事業に反対した。

しかし、自ら右足がやや不自由だった三好社長は、自分の経験から、杖代わりとなるカバンの有効性を確信し、「3年やってもダメならやめる」と、周囲の反対を押し切ってカバン事業を推進。同時に社長は売上不振の原因を改めて分析、「通常よりも1.5倍する値段の“杖カバン”は、消費者の十分な理解が無いと売れない」との結論を得た。

直ちに積極的に新しいカバンの効用をアピールする戦略に打って出た。まずは社長自らの体験を踏まえて、このカバンがどのように便利か、明るく率直にアピールすることに取り組んだ。新商品への強い愛情と粘り強い事業化への熱意があってこそ出来ることである。カバンの売上げが好転し始めるのにさほど時間はかからなかった。

同社のホームページにアクセスすると、「夢とアイデアと行動力があれば『出来る!』」のコピーがある。更にイージー事業部ホームページにアクセスすると、「スワニーが考えたらこうなりました」というメインコピー。その脇には小さく「小児麻痺の後遺症に苦しむわたしは…」との三好社長自身の新バッグPRがスマートに添えられている。そこには、とかくありがちな、新規事業を軌道に乗せた企業トップの威丈高さは感じられない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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