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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)ヤマトメック

 

女性マイスター(匠)社長、技術武装でチャンスを広げる!
業種:精密機械部品加工
(株)ヤマトメック

「他社がやらないことに対応出来なければ生き残れない。苦労すればしただけ応用が利くようになり、技術力も高めることが出来る」と、迫力ある口調で語るのは、災難をはねのけて会社を立ち上げ、5年の短期間に自立経営を軌道に乗せた精密機械部品加工のベンチャー企業「(株)ヤマトメック」(東広島市、従業員7人)の女性リーダー、山崎恵子社長。

災難というのは5年前のこと。「金属加工が根っから好き」という山崎社長は、“手直しの鬼”と異名をとる女性マイスター(匠)だったが、それまで夫と一緒に勤めていた会社が、景気低迷による工場閉鎖で失業。ハローワークの紹介で、何とか部品加工業の旧ヤマトメックに入社したものの、今度はその社長が倒れて会社は廃業。わずか2ヵ月の間に2度の憂き目にあった山崎社長は、ここで持ち前のマイスター魂を発揮。残った仲間と共に出資金を集めて会社の権利を譲り受け、平成10年に新生ヤマトメックを設立、まさに波瀾に富んだ会社設立であった。

企業経営の永続性を痛感した山崎社長は、新生会社を立ち上げて以降、敢えて他社がやらない難易度の高い部品加工に挑戦し、技術武装に努めた。要求の厳しい大手企業と渡り合って技術を修練し、限界に挑むミクロンオーダーの超精密機械部品の加工技術を確立し、遂に大手精密機械メーカーとの取引を獲得。今では、精密度の高い医療機器や分析機器の部品加工を任される程の技術力を備えるまでに至っているという。

また、同社は公的施設の研究団地内に本社を置いているが、このことが経営展開にも有利に作用しており、近隣の広島大学との産学連携を積極的に推進すると共に、情報のチャンネルも広がり、公的支援制度を活用して研究開発のピッチを上げている。中でも広島大学との共同研究の成果は大きく、地元では産学連携のモデルとして高く評価されている。

憂き目にあった教訓から、技術武装の重要性を学んだ山崎社長。マイスターのチャレンジ精神で、「技術の限界に挑戦するベンチャー企業」を実践し、次なるステージにジャンプアップしようとしている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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