休日労働は連続何週間まで許容される? (2007年4月号より抜粋)  
     
 

36協定で定める休日労働は連続何週間まで許容されるのでしょうか?

 

Q

当社では、長年、36協定で休日労働の限度を月4回と定めてきました。今回、協定の改定交渉の中で、組合側は「4週連続で休日出勤を命じるのは、週1日の休日付与を定めた労基法第35条の精神に反するのではないか」と疑問を呈しました。法律的には、どのように解釈すればよいのでしょうか。

 

 
 
 

割増賃金を払えば法的制限はない(何週連続でもOK)

労働基準法第35条では、「毎週少なくとも1回の休日(あるいは4週4日の休日)を与えなければならない」旨、定めています。週休2日制を採る企業の場合、2日の休日のうち、1日が法定休日、他の1日が法定外休日となります。

36(時間外・休日労働)協定では、時間外の限度時間と「労働させることができる休日」を別個に定めます。ここでいう「休日」とは、「法第35条の規定による休日」、いわゆる法定休日を指します。

ですから、週休2日制を採る会社では、休日労働に関する協定を結ばなくても、土日どちらかの休日に出勤させることができます。行政解釈(昭23・12・18基収3970号)では、「4週間に4日以上の休日があり、その基準以上の休日に労働させ4週間に4日の休日を確保する場合、協定届出の義務はない」と述べています。

法定休日労働とは、1週1回(4週4日)の休日を確保できない形で休日に出勤し、労働することです。月4回までという協定の上限一杯まで休日労働をさせれば、4週連続して1日の休日も確保できない結果となります。

これが労基法に反するか否かですが、行政解釈(平11・3・31基発第168号)では「労基法第36条第第1項では、『36協定をし、届け出た場合においては、第35条の休日の規定に関わらず、休日に労働させることができる』と規定してあるから、代休を与える義務はない」と説明しています。

法定休日に労働させても、法定休日割増賃金を払えば、法律で求める義務を果たしたことになります。出勤日が連続しても、労基法との関連では問題が生じません。

しかし、労務管理・健康管理という観点からみれば、連続出勤が長期化するのは好ましくありません。平成18年4月1日に、従来の時短促進法(労働時問の短縮に関する臨時措置法)は、時間設定改善法(労働時問等の設定の改善に関する特別措置法)に変わりました。

同法に基づく「時間設定等改善指針(厚生労働省告示第197号)」では、「特に、休日労働は避けること」と念を押しています。さらに、過重労働総合防止対策(平18・3・17基発第0317008号)でも、「休日労働を行うことが可能な36協定であっても、実際の休日労働をできる限り最小限のものとするよう指導する」と述べています。

通達添付の「事業主が講ずべき措置」のなかでも、「事業者は、休日労働についても削減に努めるものとする」よう要請しています。休日なしで連続出勤させるのは、極力避けるべきでしょう。

 

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