自主活動(QC活動)と労働時間 (2008年7月号より抜粋)  
     
 

QC活動参加で疲労蓄積すれば過労死(労災)の認定対象になりますか?

 

Q

最近、「QC活動に参加していて、過労死になった」とご家族が主張して、裁判で争った事例があったような気がします。当社では、QC活動を「自主参加」という位置づけで実施していますが、この場合は過労死の問題を心配しなくてもよいのでしょうか。

 

 
 
A

参加の強制があれば業務上災害

「QCサークル活動」の起源はアメリカにあるようですが、今ではすっかり日本型の仕組みとして定着しています。職場のグループ(小集団)ごとに、品質管理(クォリティー国コントロール、略してQC)に取り組むもので、従業員の自主的活動を会社がバックアップするという建前を取ります。裁判で訴えられた会社も、当然、社内的には自主活動として位置づけていたはずです。しかし、QC活動だから自動的に労働時間にならないと断言はできません。

行政解釈は、「(教育訓練の)参加について、就業規則上の制裁等の不利益取扱いによる出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」(昭26・1・20)と述べていますが、この考え方は社内活動全般に拡大適用することができるでしょう。

社内活動には、さまざまなタイプがあります。業務との関連性が高いものもあれば、関連性の薄いものもあります。会社にとってまったく得にならない活動であれば、施設利用に伴うリスク等を考え、社内での実施を拒否することになります。

趣味のサークル活動などは、職務能力の向上には直結しませんが、福利厚生的意義を持つと同時に、社内融和にも役立ちます。この場合、会社は施設の利用を認めるばかりでなく、一部経費を補助するケースも珍しくありません。

さらに、従業員が自主的に、「商品の見本市に行きたい」「異業種交流会に参加したい」等の要望を出してきた場合、業務とまでは認めないまでも、旅費や宿泊費等を負担し、積極的にサポートするのが一般的です。

しかし、従業員の希望を尊重し、実施をサポートするのなら、たとえ会社が経費を負担したからといって、それが業務(労働時間)とみなされるわけではありません。

そのレベルを超え、会社が不参加者に対して不利益取扱いがあることをほのめかし、従業員の自由意思に影響を及ぼそうとすると問題が生じます。QC活動の場合、成果が業務に直結するため、実質的に参加を強制するケースが散見されます。その結果、裁判所がQC活動も労働時問であるとみなせば、当然、過労死が問題となるケースもあり得ます。

「過労死認定基準」(平13・12・12基発第1063号)によれば、「1ヵ月に100時間または6ヵ月平均で80時間超の時間外労働が認められる場合」業務と発症の関連性が強い(過労死の疑いが強い)と判定します。この場合、会社が賃金台帳に記載した労働時間等だけでなく、QC活動の時間も加味して、過重性が判断されるおそれもあるのです。

 

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