複数の事業を営んでいる場合の業種 (2010年3月号より抜粋)  
     
 

派遣・職業紹介・業務請負を兼業する場合の業種は何になるのでしょうか?

 

Q

改正労働基準法の適用猶予のことで、質問があります。人材ビジネス会社の看板を掲げ、労働者派遣、紹介予定派遣(職業紹介の許可取得)、業務請負を兼業しています。中小事業の定義で使う業種区分ですが、当社は何に分類されるのでしょうか。

 

 
 
A

主要な事業活動によって判断される

改正労基法は平成22年4月1日施行ですが、割増賃金率5割(時間外月60時間超)に関する部分は、中小事業主を対象に適用が猶予されます。中小の範囲は、次の通りです。

  • 小売業(飲食店含む)・・・資本金5,000万円以下または従業員50人以下

  • サービス業・・・資本金5,000万円以下または従業員100人以下

  • 卸売業・・・資本金1億円以下または従業員100人以下

  • その他の業種・・・資本金3億円以下または従業員300人以下

業種の判断は、「日本標準産業分類(平21総務省告示第175号)に基づき」判断します(平21.5.29基発第0529001号)。

日本標準産業分類をみると、職業紹介業、労働者派遣業は「大分類R―サービス業(他に分類されないもの)」に該当します。「大分類R」は、サービス業に含まれるので、職業紹介業、労働者派遣業を単独で営んでいる会社は、サービス業の基準(資本金5,000万円または従業員100人以下)をあてはめて、中小事業主に当たるか否か判断します。

業務請負については、「経済活動の種類によりそれぞれの産業に分類される」という扱いです。製造派遣が専門なら、その業務請負会社は製造業(つまり、その他の業種)に分類されます。

複数の事業を兼営している場合は、「その主要な事業活動によって判断(過去1年問の収入・販売額・労働者・設備等の実態で判断)する」のが原則です(前掲通達)。派遣業務が主体か、業務請負が主体かによって、貴社が属する業種が異なってきます。

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