産休終了者の標準報酬月額の改定 (2014年9月号より抜粋)  
     
 

産休終了者の社会保険の標準報酬月額はどのように改定されるか

 

Q

このたび、妊娠・出産で休む従業員がいます。育児休業の取得予定はありません。今年から、産休中の社会保険料が免除された点は把握していますが、そのほかに標準報酬月額の取扱いで、細かな規定があったように記憶します。こちらは、何か改正があったのでしょうか。

 

 
 
A

育児休業終了時の取扱いに準ずる

平成26年4月1日から、産前産後休業取得時の社会保険関係の取扱いが変更になりました。基本的には、育児休業に関する規定を、産休にも拡張適用するというイメージです。

まず、既存の育休関連の規定を確認しましょう。

  1. 育児休業中の保険料免除(健康保険法159条、厚生年金保険法法81条の2)

  2. 育児休業終了時の標準報酬月額改定(健保法43条の2、厚年法23条の2)育児により報酬水準が下がったとき、速やかに標準報酬月額を修正する仕組みです。

  3. 3歳未満の子を養育時の標準報酬月額特例(厚年法26条)
    2.により、標準報酬月額が下がっても、年金の計算時には下がる前の標準報酬月額を使う(年金額が高くなる)特例です(厚生年金のみ)。今回改正により、産休関連では、次の規定が追加されました。

  4. 産前産後休業中の保険料免除(健保法159条の3、厚年法81条の2の2)

  5. 産休終了時の標準報酬月額改定(健保法43条の3、厚年法23条の3)

考え方は、育休中と同じです。従来から存在する3.の規定は、産休のみの取得者にも適用されます。

ただし、今回の改正に合わせ、厚生年金保険法26条の条文が一部変更されています。低下前の標準報酬月額を用いるという特例は、一定事由に該当したときは適用されません。従来は、子が3歳に達したとき、子を養育しなくなったとき、育休取得中などが該当事由として挙げられていました。今回、改正で産休中も追加されたので、産休明けから特例の適用を受けることになります。

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