労災保険と厚生年金の併給調整 (2016年8月号より抜粋)  
     
 

通勤災害で障害が残った場合に労災保険と厚生年金の両方を申請?

 

Q

従業員が通勤災害で重症を負いました。仮に障害が残ったとした場合、通勤災害の請求(障害給付)をするのは当然ですが、厚生年金(障害厚生年金)の扱いはどうなるのでしょうか。労災の方が高金額なので、こちらを「選択」するのでしょうか。

 

 
 
A

併給し労災給付を減額調整する

通勤は、労働者が労務を提供するために不可欠な行為なので、労災保険による保護を受けます。障害については、業務上災害が「障害補償給付」、通勤災害が「障害給付」と名称は異なりますが、補償内容等はほぼ同様です。

障害給付は、障害等級に応じて定められています。障害等級1級から7級までが年金(障害年金)、8級から14級までが一時金(障害一時金)となっています。

仮に障害が残った場合、労災保険と厚生年金(国民年金)と両方の給付事由に該当します。厚生年金の給付要件(保険料納付要件等)を満たすとして、併給調整の規定はどうなっているのでしょうか。

労災保険の障害一時金と厚生年金の障害手当金が支給されるときは、労災が優先し、障害手当金は支給停止となります。

しかし、労災保険と厚生年金の給付が「年金」形式であるときは、障害厚生年金等を全額支給し、障害年金を減額支給するルールとなっています。

両者の調整率は、労災保険令第2条、4条、6条に規定されています。

  • 障害厚生年金+障害基礎年金と併給
    …障害年金を73%に減額

  • 障害厚生年金と併給
    …障害年金を83%に減額

  • 障害基礎年金と併給
    …障害年金を88%に減額

ちなみに、障害年金でなく、傷病年金(ケガ等がちゆしないときの年金)と障害厚生年金等が併給されるケースもあり得ます。この場合の調整率が、平成28年4月1日から一部変更されています。傷病年金と障害厚生年金の組合せの場合、傷病年金は88%(改正前86%)に減額となります。

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