パートの随時改定 (2017年2月号より抜粋)  
     
 

固定的賃金の変動があるが勤務日数が少ない場合の取扱いは?

 

Q

優秀なパートさんを、リーダーに登用しました。健康保険の標準報酬月額の随時改定の手続を取ろうとしたのですが、報酬支払基礎日数が17日に足りない月があります。最近、「17日」の要件が緩和されたという話を耳にしました。どのように変わったのでしょうか。

 

 
 
A

511人以上の企業では「11日以上」に

標準報酬月額は原則として固定ですが、賃金に著しい変動が生じたときは、随時改定(月変)の手続が必要です(健保法43条)。賃金の額は、固定的賃金が上がった(下がった)月から3ヵ月の平均を基準とします。

ただし、3ヵ月とも報酬支払い基礎日数が17日以上あることが条件となります。17日に欠ける月があるときは、賃金の変動が大きくても(3ヵ月平均と標準報酬月額の差が2等級以上)、随時改定の対象になりません。

要件が緩和されたという話ですが、平成28年10月1日スタートの社会保険の適用拡大と関係があります。

ただし、影響があるのは、規模501人以上の企業に限られます。

適用拡大の対象となる企業では、「労働時間・労働日数が正社員の4分の3未満」のパート等であっても、週20時間以上、月額賃金8.8万円以上等の要件を満たせば、社会保険に加入させる必要があります。

今回の改正では、「被保険者であって、週所定労働時間が4分の3未満、または月所定労働日数が同4分の3未満の者」(健康保険法施行規則第24条の2)に限って、「17日以上」の要件が変わります。3ヵ月ともに報酬支払基礎日数が「11日以上」であれば、条件を満たします。対象となるのは、随時改定(健保法第43条)だけではありません。

定時決定(42条)、育児休業終了時の改定(43条の2)、産前産後休業終了時の改定(43条の3)も同様です。

しかし、従来から社会保険に加入していたパートさん(4分の3条件を満たす人)については、これまでと同様に原則「17日」の条件を適用します。

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