管理職の産前産後休業 (2017年11月号より抜粋)  
     
 

女性管理職が重要な会議出席のために産後6週内の出勤を希望

 

Q

女性管理職(プロジェクト・リーダー)が、産休に入ります。産後6週間のタイミングで、プロジェクトの命運を左右する会議があります。本人はどうしても自分が出席するといいます。管理職という立場上、出勤を認めても差し支えないでしょうか。

 

 
 

管理職も例外なく労働禁止

最初に、産前産後休業の原則的な考え方を再確認しましょう(労働基準法第65条)。

産前6週間(多胎妊娠は14週間)は、本人の請求があれば、休業の付与義務が生じます。請求がなければ、出産直前まで就労させても問題ありません。また、本人が産前休業でなく、年休の消化を望むのであれば、それも可能です。

産後8週間は、「労働者の請求の有無を問うことなく就業させてはならない」期間とされています(労働基準法コンメンタール)。出産の当日は「産前に含まれる」(昭25・3・31基収第4057号)ので、産後の起点は出産の翌日となります。

ただし、産後6週間を経過すれば、女性の請求を前提として、医師が差し支えないと認めた業務に限り、就業させることができます。「産婦の健康状態は各人によって異なり、また経済的事由から就業を希望する場合がある」ためと説明されています。

ご質問の女性は、経済的事由ではなく、「プロジェクト・リーダーとしての責任感」から、自ら出勤を申し出ています。この場合も、6週間を経過し、「医師が会議に出席してもよい」と許可すれば、就労させても問題ありません。

しかし、6週間に達していなければ、この方法は不可です。本入にとっては、「出産を理由として、能力発揮のチャンスを逸する(会社が就労を認めない)」のは、残念で仕方ないでしょう。

均等法では、「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」を禁じています(第9条3項)。その例として、「業務に従事させない」ことが挙げられています(「性別を理由とする差別禁止指針」平18・10・11厚労省告示614号)。しかし、前述のとおり産後6週間は「強制的な就労禁止期間」ですから、どうしようもありません。

それでは、「管理職なのだから」という理屈付けは可能でしょうか。

妊産婦を対象とする規制の中に、時間外・休日・深夜労働に関する条文があります(労基法第66条)。

妊婦および産後1年以内の女性が請求した場合、時間外労働(変形労働時間制による場合を含む)・法定休日労働・午後10時〜翌朝5時までの深夜労働に従事させることはできません。

ただし、労基法第41条に該当する管理監督者については、「労働時間に関する規定が適用されないため、時間外・休日の規定は適用の余地がない」(前掲書)とされています。深夜労働に限って請求が可能です。

しかし、産前産後休業には、そのような管理職対象の例外規定は設けられていません。ですから、産後6週間以内であれば出勤を認めるべきでありません。

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