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AOSリーガルテック(株)

■「データ復元のプロがマイナンバー対応消去ソフトに力こぶ」

業種:データ復旧、データ移行、バックアップ、データ消去
AOSリーガルテック(株)

マイナンバー制度の導入に向け、政官業各方面の動きに慌ただしさが増している。日本年金機構からの個人情報流出の及ぼす影響が懸念されたりもしているが、新制度のスタート時期が間近に迫っているのは間違いない。そんななか、「新制度が新市場を創造する」と見て、マイナンバー対応製品・サービスを開発して世に出す企業が少なくない。AOSリーガルテック(東京、佐々木隆仁社長)もその一社。同社では「データ復元ソフトのマーケットを創ったように、マイナンバー対応のファイル消去ソフトで新たな市場を立ち上げる」(佐々木社長)と腕をならしている。

大手コンピューターメーカーの技術者としてOS(基本ソフト)の開発などに携わっていた佐々木社長は、平成7年、社内ベンチャー制度に則ってAOSテクノロジーズ(東京)を設立する。同社では累計販売本数が100万本を超えるデータ復元ソフトを商品化するなどデータ復元ソフト&データ復旧サービスの草分けとして、またリーディングカンパニーとして数々の実績を収める。AOSリーガルテックは、IPO(株式公開)などを視野に入れて、平成24年、AOSテクノロジーズの全額出資により誕生した。

「データの復元と消去は矛と盾の関係。復元の仕方が分からないと消し方も分からない」。佐々木社長はデータ復元・復旧で積み上げた知識やノウハウが、マイナンバー対応のデータ消去ソフト/サービスに大いに生きると説明する。マイナンバー制度で、企業・団体には、例えば、退職者が生じたらそのマイナンバーを速やかに削除することが義務付けられ、仮に削除が不完全で、そこから情報が漏洩した場合、かなりの厳罰に処せられるといったリスクが伴う。復元・復旧のプロ中のプロが、消去・削除の舞台でも大活躍しそうだ。

データの消去・削除に関して、佐々木社長は「ハードディスクを丸ごと消去するような形態は普及しているが、マイナンバー制度で求められるファイル単位の消去はほとんどできていなくて、新しい概念になる」とも解説。自社製品については「ひとことで言えば“電子データシュレッダー”」と、消したいデータだけを確実に消せるスグレモノであることを強調する。

社名の「リーガルテック」が示す通り、同社ではデジタルフォレンジック(デジタル鑑識)やeディスカバリー(電子証拠開示)といった、今日のデジタル社会における訴訟、係争と不可分の技術・サービスの提供に力を入れてきている。大相撲の八百長問題、大手製薬会社のデータねつ造など世間を騒がせた事件で、証拠となるデータを復元させた実績もあるという。「農業、工業時代の米や鉄に匹敵するのが今の時代のデータ」(佐々木社長)と、データの重要性を説く同社では「データを命のように」のスローガンを掲げ、復元、消去をはじめとするデータ・ライフサイクル事業のさらなる深化に余念がない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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