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2007年の記事

 

 

 

 

 

バインド・ギアコーポレーション株式会社

 

■バインダーも簡単に再資源化

業種:バインダー用金具製造販売
バインド・ギアコーポレーション株式会社


「バインダーの表紙と綴り用の金具は一体的なもの」と思っていた。よく考えてみると表紙は厚紙であり、金具は言わずもがなの金属だ。バインダーとしての役割が終わったら、リサイクルすることになる。ここで問題になるのが表紙の紙と金属の分別だ。どちらも貴重な資源であり、やたらに廃棄したり焼却するわけにもいかない。ところがリサイクルしようとしてもバインダーから金具をはずすのは容易ではない。バインド・ギアコーポレーション株式会社(千葉県松戸市、熊谷純一社長)は、環境問題を念頭に簡単に表紙から金属を分離できるバインダーを商品化した。

ドライバー1本で表紙の厚紙と金具を分離できるバインダーだ。家電製品やパソコンなどは、簡単に分解、再資源として活用できるかどうかが商品化のポイントになる。「循環型社会形成推進基本法」「家電リサイクル法」(特定家庭用機器再商品化法)が制定されたのも、環境問題の解決と再資源化を進めるためだ。このバインダーは、これら法律を意識したものではないだろうが、環境を商品開発の基本コンセプトに置いた結果であり、家電リサイクルのための商品開発などと発想の原点は同じである。

同社はバインダー用金具の商社でありメーカーだ。元々、熊谷社長は父親が経営する熊谷製作所(千葉県松戸市、熊谷和雄社長)で父親と共に働いてきた。熊谷製作所はバインダーやシステム手帳用の金具を製造しており、金具には慣れ親しんでいた。また、ものづくりが何かも父親から学んだ。ここで培ったノウハウなどを生かし「新たな製品開発やビジネスをしたい」と考え、99年に
起業、バインド・ギアコーポレーションを立ち上げた。熊谷社長は「バインダー用金具市場はまだ成熟しておらず、勝機は十分にある」と考えている。だからこそ起業したともいえる。香港の国際文具製造廠有限公司の日本における総代理店だが、バインドギアが開発した製品を国際文具製造に生産委託し国内で販売するなど、メーカーとしても活発に活動している。

同社は高品質の製品とハイクオリティーなサービスを経営方針の主眼にしており「安売りによるブランド力の低下を招かない」ように心がけている。将来は「文具金具の総合企業」を目指す考えだが、「バインダー用金具市場はまだ成熟していない」というのも、環境対応の製品やユニバーサルデザイン製品はまだ開発余地が十分に残されているという証左かもしれない。 




著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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