(株)ケミカル山本
■「ニーズから生まれた研究開発」だからこそ市場を生む!
業種:金属表面処理技術
(株)ケミカル山本
「ニーズにあった研究開発をすることの大事さを痛感した」と、76歳の年齢を感じさせずに熱く語るのは、金属表面処理技術で画期的な技術開発を成功させた研究開発型ベンチャー企業「(株)ケミカル山本」(広島県広島市、従業員30名)のリーダー、山本社長。
かつて大手メーカーの研究所に長く在席した山本社長。定年退職を機に1982年に自宅の2階で会社を起こした。第2の人生のスタートである。山本社長は、金属表面仕上げの劣悪な職場環境や作業員の健康問題に心を痛め、「化学屋として、有毒ガスや劇薬の取り扱いに苦しむ下請企業の作業環境を何とかしたかった」。この熱き思いが起業と技術開発のエネルギー源となった。
研究開発を重ねた結果、劇毒薬を使わない、中性電解法による独自技術、ステンレス鋼表面処理技術を開発、電解式溶接焼け取り装置として、健康で安心して働ける、人にも自然にもやさしい作業環境を提供できるようになった。
この過程で、特注仕様の表面仕上げ剤をはじめ、数多くの特許技術が生まれ、中堅の研究開発型企業に相応しい堅実な知的財産を得た。以来、世界に先駆けた放射能汚染洗浄装置を含め、電源器、検査器など20数種類と、電解液、洗浄剤など100種類以上をラインアップするに至っている。この間、「科学技術庁長官賞」を受賞するなど、数多くの技術開発賞や発明賞を受賞、研究開発
型企業として着実に成果をあげている。
この技術を応用した産業界向け以外の自社製品も次々と登場している。銀食器のサビや汚れをあっという間に除去する除去剤と装置もその一つ。大量の銀食器を磨くのに人手に頼っていたレストランやホテルにとっても省力化につながる。また、家庭においても、焼け焦げや汚れのこびりついたヤカンや鍋を「きれいにしたい」と悩む主婦は少なくない。
「家庭用の簡単なものも作ってみたい」。山本社長の夢は家庭市場にまで広がっている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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