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2006年の記事

 

 

 

 

 

シージーケー(株)

 

■自社製品開発への挑戦

業種:機械部品・機械工具等販売
シージーケー(株)


中小企業にとって、なにより、自立への挑戦が大切であることは言うまでもない。ただ、このことは言うは易く、行うは難しだ。しかし、この難題に挑戦し続けているメーカーがある。広島市東区に本社を置くシージーケー(株)(下河辺一成社長)がそれだ。

同社は1967年の設立。もともとは機械工具の商社として出発した。しかし創業当初から掲げるスローガンは「未来に向かって挑戦」。間もなく開始された自社製品の開発は、まさに未来に向かっての挑戦だった。この自立路線の中心的な商品となったのが小型卓上プレスだ。通常の機械金属向けにとどまらず、薬品、食品業界でも広く使われ、同社のロングラン商品となっている。

この路線から、最近では歯科向け成形機「クリスタルフォーマー」を生んでいる。過激なスポーツなどの事故からあご、口、頭部を守るマウスガード、マウスピースの成形機だ。独自の真空成形技術を使うことによって、気泡がなく、装着感のよいマウスガードを素材から作り出している。国内に競合品が無いのも強みだ。この分野は外国製の汎用品が使われてきたが、日本人のあごの骨格は、欧米人系のそれと異なるだけに、新成形機への期待が高まっている。地元の歯科系メーカーの持つ特許を、広島大学のアドバイスのもと、シージーケーが商品化した。

もちろん、自立路線にやみくもに挑んでいるわけではない。むしろ慎重にさえ見える。売上高のベースは、あくまで、ワイヤハーネスなど自動車部品の販売で築いており、その地盤のうえで、こつこつと自社製品の開発、商品化に取り組んでいるのだ。したがって、自社製品は、なお1割に満たない。同社が「バランス経営」に徹しているといわれるのはその一面を物語っている。時代時代に適応した柔軟な経営を選択しつつ、固める所は固めるのが同社の特色だ。

「いたづらに突っ走らない。だが小さく縮こまることも無い」と下河内社長はいう。チャンスには淡々、ピンチに冷静に対処しながら、じりじりと自立路線に磨きをかけている。

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