東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2012年の記事

 

 

 

中央製乳(株)

■「乳製品の全国展開に挑戦」

業種:地元産生乳を使った乳製品製造
中央製乳(株)


設立当初、渥美半島の豊橋・田原など東三河地域は、養蚕が主な産業で酪農は未開発だった。この地に拠点を構えた中央製乳(愛知県豊橋市、川澄宏匡社長)は酪農振興へ地元酪農家と共に歩んで今年で75年を迎える。地元産生乳を使った乳製品からスタート、この地域も今では、県内生乳生産量の約38%を占め、押しも押されもしない酪農地帯になった。

川澄社長は経営の基本を「地元の牛乳は地元で消費する地産地消」に置く。同社の生い立ちからみてもこの考えはうなずける。地元資源へのこだわりがさらに地元のファンを広げる。現在、製品陣容は飲用向け牛乳を中心に、バター、粉乳、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー、食パン、清涼飲料など多種多様な食品に広がった。

製品の代表的なものが豊橋産生乳100%使用の「のんほい牛乳」(のんほいは方言で、そうだねの意)、同じく田原産生乳100%使用の「どうまい牛乳」(すごくうまい)などの地産地消シリーズ。学校給食にも同社の乳製品が広く採用され、大人から子供まで地域で同社を知らない人はいないほど信頼と親しみを持たれている。経営的にも安定した優良企業だ。

社長就任5年目の同社長はしかし、「従来の販売エリア以外の所へも販売したい思いがあった」。「地域の資源を使い乳製品として全国展開できるなら地域のためにも意義がある」と。こうした折、生協から「地域のトマトを使った乳製品はできないか」と相談を受けた。その後生協、地元トマト加工品メーカーと試行錯誤の末、新商品「愛知で育ったとまとのアイス」を開発した。問題はどうやって売るか。

全国展開の経験がない同社は、地元の金融機関から中小機構を紹介され、同機構中部本部に相談。さっそく同機構の専門家と一緒に事業のブラッシュアップを図り、今年2月に地域資源活用事業の認定を受け、今後、地域資源関連展示会、イベントなどを通じて新商品を全国展開したい考えだ。「これを突破口にトマト以外の地域資源を使った乳製品開発・販売にも取り組みたい」(同)と語る。「地産地消」と並行して進める全国展開へのチャレンジに注目したい。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2012年の記事に戻る