シーケー金属(株)
■“看板商品”づくりに積極経営の老舗!
業種:金属継手製造
シーケー金属(株)
「景気低迷期には、いろいろな製品を出して将来の種を蒔くことに徹したい」と語るのは、減産ムードの金属継手業界にあって、製品開発重視の積極経営を展開する「シーケー金属(株)」(富山県高岡市、従業員数213人)のリーダー、釣谷社長。
同社は1920年創業の金属継手の老舗。水道・ガス等の配管用継手の製造を柱に、メッキ加工事業等も行っている。1974年に製品ブランド名の「CK」をとって現在の社名に改称した。釣谷社長は8代目。バブル崩壊後、いち早く不採算の海外事業の見直しや遊休資産の処分など、体質改善策を実施したが、老舗でありながら「新しいものが無くなると、会社の魅力も無くなる」として、「新製品の絶えない会社」の伝統は曲げなかった。
主力製品は、水道管の赤水防止継手で知られる「コアコート継手」。継手の内部に樹脂製の防食コアを組み込んだだけの簡単な構造が特徴だが、現在では環境や人体への影響を配慮して、素材に塩化ビニールや鉛を一切使わない「脱塩ビ」、「脱鉛」を実現。今やそれが業界の主流となっている。また、継手の一部を透明にすることで施工しやすくしたり、作業者の安全性を高める工法を開発するなど、施工技術面でも継手革新のリード役を果たしている。
更に、同社の強みは素材加工から製品化までの一貫生産体制にある。過酷な仕事と言われる鋳造作業を含め、全ての製造工程を自社内で行う。それによって継手製造のトータル技術を蓄積し、独自の多種少量型ラインを構築して、多様な要望に即応できるようにした。設備投資をするだけでなく、工場に導入した汎用機を協力企業と共同で改良して生産効率をあげるという手法も、競争力
を強める結果となっている。
長引く景気低迷で継手業界も停滞傾向にあるが、釣谷社長は「他社との差別化を図るチャンス」だと語る。体質改善の効果を活かし、技術系新卒者の採用や検査工場の新設にも踏み切った。積極経営策の狙いは「新たな看板商品の創出」にある。こだわりの新製品開発が老舗の看板に更に磨きをかけている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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