大研医器(株)
■“人まね否定”の製品開発!医療機器ベンチャー企業の戦略
業種:医療機器開発
大研医器(株)
「絶対に人まねをしない。それが独創的なものを生み出すための鉄則。周囲を気にせず攻撃的に挑戦すれば、不可能が可能になる」と自信たっぷりに話すのは、医療現場の悩みを解決するオリジナル製品を次々と送り出し、自社ブランド力を高めている医療機器ベンチャー企業、「大研医器(株)」(大阪府和泉市、従業員数64人)の山田社長。
医療機器分野は外国企業のシェアが高く、そこで活躍する日本のベンチャー企業は極めて少ない。ところが、反骨精神の強い山田社長は「誰も目を付けない分野こそ盲点。新しい可能性が期待出来る」と逆転の発想で、昭和43年に同社を創業、この分野に新規参入した。
創業時は医療機器のディーラーとしてスタートしたが、昭和48年に商社型企業から研究開発型企業へと転換。以降、「何回失敗しても良い。既成事実や既成概念を打ち破れ!」と社員の開発意欲を盛り上げ、新しい技術や理論に挑戦するベンチャー気風を定着させた。世の中の流れに逆らうことを奨励し、それが同社の独創性を引き出しているのである。
同社の製品開発テーマは、医療現場の最重要課題の一つである「院内感染の防止」。手術中の細菌感染を防ぐ装置や室内用の防塵除菌マットなどで知名度を上げ、最近では麻酔薬などの注入量を細かく調節できる携帯用薬剤注入器がヒット中。いずれも医療現場に立つ医師や看護師の声をもとに開発したオリジナル製品ばかり。言わば現場のニーズを製品化することで事業を拡大しているのである。
何よりも研究開発最優先の経営が同社の特徴。真新しい研究所には基礎研究から製品化まで一貫した設備が揃い、実験設備も全て自社製作の装置で構成されている。更に、研究者にはゆったりとしたスペースを与え、じっくりと研究開発に専念させるなど、社内体制も独創的である。
同社のブランド名は「クーデック」。少々過激ながら、「クーデター・バイ・テクノロジー」の略だと言う。まさに「“革命”を起こすような独創的製品は、人まねをしない独創的経営から生まれる」との実証がここにある。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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