(株)デナロ
■アイデアで勝負!ファブレスメーカーの挑戦!
業種:セルフスタンド精算機等の企画・開発・販売業
(株)デナロ
「アイデアをいかに早くユーザーが望む形にするかがヒット商品を生むポイント」と語るのは、セルフスタンド精算機等の企画・開発・販売業「(株)デナロ」(東京都、従業員15名)のリーダー、豊岡社長。
同社はガソリンスタンド(SS)向けの自動釣銭機や、セルフ機器の企画・開発等を行い、製造は外注する(工場を持たない)ファブレスメーカーである。その中心はセルフスタンド向けのリライトカード式自動精算機システム。同システムは、釣銭に代わり残高が記録されたカードが発行されるもので、カードは500回書き換えができる。急速に増えているセルフSS(現在は約2500ヶ所)のうち、300ヶ所以上で採用されているという。
昭和61年、豊岡社長が50歳の時、役員をしていた大手レジスター会社が販売部門を分離・独立させ、その1社を現社長が引き継ぎ、今日のデナロの前身となった。当時のレジスター業界は競争が激しく、先行きも不透明であったため、新商品の開発が急務であった。そうした折、釣銭管理に悩むSSのオーナーから「お金を入れないと釣銭が出ないようなレジスターはないか」との示唆があった。既存機器とソフトの組み合わせで、期待のシステムを開発し、ヒットのきっかけをつかんだ。
工場を持たないファブレスメーカーゆえ、自社の弱点である販売力、メンテナンス体制を補うため、OEMに徹し、提携先の力を活用しているが、開発では「業界初」をモットーに取り組み、多くの特許、実用新案などの工業所有権を取得している。市場動向に神経をとがらせ、取引先の需要にも敏感に対応している。また、米国に現地法人を置き、海外の商品情報、技術情報の収集・分
析にも力を注いでいる。これらの事業活動を軌道に乗せるにあたって、ジェトロや中小企業支援センターなどの公的な中小企業支援制度を有効活用している点も大きな特徴である。
それにつけても「アイデアの大事さ」を同社は強調する。「生産も、販路も、メンテナンスも借りる。しかしアイデアだけは借りません」と語る豊岡社長は、アイデア作りに懸命だ。「ユーザーのニーズにこそアイデアのヒントがある」として、今日も内外のユーザーを足繁く訪ねている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
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