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2011年の記事

 

 

 

日本橋梁工業株式会社

■「退職後の開発は異色のオリジナル商品に」

業種:ゴム製伸縮継手の製造販売、施工
日本橋梁工業株式会社

私たちがいつも通っている道路や橋。地面をよく見ると、少し隙間が空いている部分がある。アスファルトやコンクリートは温度が高くなると伸び、低くなると縮むが、これを吸収しているのが伸縮継手だ。日本橋梁工業株式会社(東京都墨田区:菊地義弘代表)では、この伸縮継手のうちゴム製のものに特化して開発、販売、施工を行っている。

鉄製のものは、耐久性が良い反面、交換となると周囲のコンクリートを掘って、再度打ち直す必要がある。しかし、同社の製品はナット式アンカーボルトを使用しており、交換が容易なため、工事期間も短くなり、環境にも優しい。表面部分はゴム製なので、錆も発生しにくく、走行時の騒音も抑えられ、雨の日などに滑ることも少ない。

菊地社長の父が昭和39年3月、東京オリンピックの年に創業した。当時は継手の交換工事を請け負っていたが、昭和53年、菊地社長の代で、今まで現場で得たノウハウと技術をもって開発、販売にも乗り出した。現在では、首都高速道路、阪神高速道路、東京湾アクアラインなどにも同社製品「ダイヤフリージョイント」が導入されている。

製品は車両の進行方向に対して、直角又は斜めに設置される「横目地」に加え、平行に設置される「縦目地」もある。縦目地は通行車両が常に継手の上を通過することもあり、自動二輪車などがスリップする可能性がある。しかし、同社はピンを打ちつけた製品を開発し、安全性を確保した。また、横目地と縦目地が交差している「交差部」は同社オリジナルの製品だ。

原材料の高騰や公共工事が減少している中、次なる展開も考える必要がある。例えば、プレス機を使う工場内に設置し、振動を遮断する設備として応用できないか、ビルや建物にも応用できないか、思考を重ねる毎日だ。菊地社長の息子と娘3名を含む18名の社員が、高い技術を未来へ向かって、つなぎ続けている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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