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(株)DG TAKANO

■「節水ノズルで世界の水不足解消に貢献」

業種:節水ノズルの開発販売
(株)DG TAKANO

21世紀は「水の世紀」「水の時代」ともいわれる。実際、エルニーニョの影響などから世界各地で水不足が深刻化しており、先行き、水資源がますます貴重になるのは必至と見られている。そんな中、「世界の水不足の解消に貢献する」と胸を張るのが、DG TAKANO(大阪府東大阪市)社長の高野雅彰さんだ。「当社では淡水化プラントなどは造れない。しかし、開発した節水ノズルにはプラントと同じだけの力がある」と、自慢のオリジナル製品を引っ提げ、国内外の市場開拓に一大攻勢をかけている。

同社は、平成20年設立の、製品ごとにプロジェクトチームを編成する合同会社デザイナーズギルド(DG、同)を母体に、平成22年に立ち上がった。DGで開発した節水ノズルが、経済産業省後援のある賞で大賞に輝き、俄然、注目されたのを機に、節水ノズルの事業化を目的に発足した。高野社長は東大阪市でガス栓などの切削加工を手がける町工場の3代目として育ったが、IT企業に勤め、その後、独立。独立時にひょんなきっかけから節水機器と接点ができ、DGにおいて、実家である町工場の切削加工技術・ノウハウをフルに活用するなどで高性能の節水ノズルを生み出した、といったいきさつである。

「水の玉をマシンガンのように送り出す“脈動流”が一番のポイントです」。高野社長は自社製品の特徴をそう説明する。脈動流により、少ない水量でも強い洗浄力を発揮でき、頑固な汚れも難なく落とせる。そのため、最大で95%もの節水が可能になるという。開発面でのミソは、内部のピストン状の部品と本体部品とのごくわずかな隙間にあるそうで、ミクロン(1000分の1)単位の精密切削加工のワザが微小な隙間を完成させた。

現在、レストランの厨房など飲食業を主体に節水ノズルの導入が進んでいる。多店舗展開している大手外食チェーンでも採用され「水道代が大幅に減り、導入から3カ月で初期投資を回収できたと喜んでもらっている」(高野社長)。今後、各種工場、学校、駅、ホテル,病院をはじめ、さまざまな施設での需要を掘り起こしていく考えで、東京、大阪、名古屋の大都市圏を中心に、営業体制の強化拡充に取り組んでいるところだ。

同社では国内と併せて、海外市場の開拓にも目を向けている。ベルリンやパリの水関連の見本市への出展などを通して、確かな手応えをつかみ、米国、ブラジル、中国、シンガポールなど世界各国への進出準備を進めている。GWCP(グローバル・ウォーター・コンサベイション・プロジェクト)=世界を節水するプロジェクトを標榜し、「世界の水事情を見据えながらGWCPを展開する」(ホームページより)という同社には、確かに、マシンガンのような勢いが感じられる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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