企業組合動物の森
■ペットブームに乗って本物の“癒やし”を目指す動物霊園!
業種:動物霊園
企業組合動物の森
「今やペットは家族の一員と考える時代。ペットを亡くした時に、心を込めた供養をしたいと思う飼主が増え、動物霊園というサービスが“癒やし”事業として定着してきた」と語るのは、開園して3年余で黒字経営の段階に入った「企業組合動物の森」(静岡県静岡市、組合員9人)のリーダー、森理事長。
法律上、小動物の死体は一般廃棄物として専門業者が回収し、焼却した後に骨は埋め立て処分される。森理事長自身がその処理会社を経営し“ゴミ扱い”されたくないという多くの動物愛好家の声を直に耳にしてきた。折しも、個体の焼却設備があればお骨を持ち帰れるようになったことから、1999年、ペットの死に厳粛に対応する動物霊園事業に乗り出した。
事業化に際しては、当初から総合的な動物霊園の経営を狙い、焼却設備業者、動物病院勤務者、寺院関係者などの専門家がそれぞれのノウハウを出し合って運営する企業組合を立ち上げた。この組織体の特徴を活かして、実務的なサービス体制を整え、低利長期の高度化資金を活用して関連施設を短期間に整備することが出来たという。
それにしても、同組合の事業展開は半端ではない。園内には火葬場、礼拝堂、納骨堂、慰霊室などの施設が揃い、僧侶による葬儀や、希望する祭事も可能だ。合同葬の場合はお骨を合同慰霊碑に祀り、個別葬の場合は骨壷に入れて持ち帰るか、霊園の室内霊座に祀られ、回忌法要などの供養も執り行う。
現在までの利用者は約1800件。地元の静岡市が中心だが、その周辺地域からの利用者も増えつつある。季刊誌の発行や講習会を開き、飼主をはじめ、獣医や動物愛好家とのネットワーク作りにも取り組んでいる。将来はペットの供養を通じた心のケア活動なども考えている。
1兆円規模といわれるペット関連市場の中で、動物霊園事業も全国各地に広がりつつある。キーワードは“癒やし”。本格的な“癒やし”を掲げる同組合の事業展開がその先導役となるか。今後の動向に目が離せない。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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