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2010年の記事

 

 

 

(株)ニシベ計器製造所

■タクシー乗務員の利便向上に使命感

業種:タクシーメーターの製造
(株)ニシベ計器製造所

モノ作り中小企業の集積地として有名な東京都大田区で、戦後間もないころからタクシーメーターの製造を手掛けている(株)ニシベ計器製造所(丸岡哲夫社長)。景気低迷のあおりを受けて厳しいタクシー業界だが、乗務員のニーズを的確にとらえた新製品を開発し堅実な歩みを続ける。

タクシーメーターは同社の売り上げの4割を占める。この製品は料金改定時
には売り上げが大きく伸びる半面、その反動も大きく同社全体の売り上げも変化が激しい。料金改定は好況時ならともかく不況時にはそう簡単に実施できることではなく、「しばらく改定はないだろう」(丸岡社長)と読む。

同社はすでに国内でのタクシーメーターのシェアは約25%と、トップの矢崎総業に次ぐ2位。しかし変化が激しいという商品特性から、ある程度同社にとって数字が読める製品の開発が急務となっている。

すでに領収書を発行するプリンターやプリペイドカード、クレジットカードに対応した車載端末器、「空車」などを知らせる発光ダイオード(LED)表示灯なども開発している。さらに需要を先取りして創り出していくという発想から、音声装置の開発も行った。支払い時に「ご乗車ありがとうございます。料金はいくらです」のアナウンスを流す装置もその一つで販売も好調だ。

「この音声装置は目の見えない人に対しても有効。さまざまな音が作れるためいろいろな派生製品を作りたい」(同)と期待する。また自社製品ではないが、運転手と後部座席の間に設置する仕切り版やドライブレコーダーなども売り上げに貢献している。要は「メーカーだからタクシー乗務員が不便に感じることを形にするのが使命」(同)という信念が一貫して製品に込められている。新たな需要を掘り起こす前向きな姿勢は、確固とした使命感に裏打ちされている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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