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2005年の記事

 

 

 

 

 

 

(株)エイジア

 

■専門家派遣制度の活用と株式公開で体力をつけたIT企業

業種:ソフト開発
(株)エイジア

ネットビジネスを展開するIT企業が増え、業界は群雄割拠の状況にあるが、「独創的な製品など明確な成長要素を持てば、銀行頼りではなく公的支援を活用して発展できる」と独特の経営展開を披瀝するのは、ソフト開発ベンチャーの(株)エイジア(東京都品川区、従業員21人)の江藤晃社長。

ちょうど10年前の平成7年、江藤社長はオーディオ機器メーカーをスピンオフし、30歳そこそこで同社を創業した。当初はマルチメディアを利用した結婚式を普及させようとしたが苦汁を味わった。その経験をテコにインターネット分野に進出。ホームページ制作を手始めに、大手企業からの受託を含むソフト開発で技術力を磨いた。5年程前、ネット販売の弱点をカバーするeメール活用の販売促進ツール「WEB CAS」を独自に開発。これがヒットし、同社を成長軌道に乗せる主力商品となった。

創業当時から株式公開を目論んでいた同社は、自社製品の開発を機に準備を開始した。その際、中小企業基盤整備機構が実施している専門家継続派遣制度を活用し、営業・マーケティングの専門家やビジネスモデルづくりを支援する弁理士などの協力を得て社内体制を整えた。そして、平成15年1月に未公開企業の株式を売買する「グリーンシート市場」に上場。そこで調達した資金でソフト開発を加速し、一気に経営の自主路線を確立したのである。

グリーンシート市場を通じて直接投資家から資金を調達する方法は、いずれ還元するとはいえ、銀行融資のように金利は付かない。そこに着眼した同社は、事前の準備が奏功して、上場申請から審査パスまで僅か3ヵ月の短い期間と少ない費用で株式公開を実現した。それによって低コストの資金を調達し、ストックオプション(新株購入予約権)を付与することで社員の士気が向上し、情報開示でお客や取引先からの信用力も高まったという。

技術革新の激しいIT分野だけに、「製品開発のスピードが決め手」と言い切る江藤社長。開発ピッチを速めるための資金確保と人材獲得に向けて、次の目標をジャスダックや東京証券取引所の上場に置いている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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