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2010年の記事

 

 

 

エナックス(株)

■リチウムイオン電池のパイオニア

業種:大型リチウムイオン電池の開発・製造・販売
エナックス(株)

パソコン、携帯、デジカメ、これら電子機器は機能が増え、高度化し、使用する電力も大きくなっている。電池は機器そのものの性能を大きく左右するのだ。ましてや電気自動車や電気自転車の時代になったら・・・。大型リチウムイオン電池の開発・製造・販売に携わる企業がある。エナックス(株)(東京都文京区:小沢和典社長)だ。

小沢社長は大手メーカーに勤務していた時代にリチウムイオン電池の将来性に目を付け、平成8年に独立した。しかし、当初は電池開発に乗り出せる企業体力がなく、パソコン用の機器などを製造していた。その陰では、新しい電池を作りたいと日夜研究を重ねた。平成13年にはリチウムイオン電池の性能をアピールするために一人乗りの電気自動車を製造した。今でこそ、電気自動車はよく耳にするが、当時はまだハイブリッド車が世に出て間もない頃だ。これを機に動力用リチウムイオン電池を事業化したが、これはエナックス(株)が世界で最初になる。

リチウムイオン電池は材料の組合せ次第で、数多くのタイプを製造することができる。それが面白いところだが、反面、研究開発には失敗しても、めげることなく実験を繰り返していく粘り強さが必要だ。お客様の要望に合わせ、耐久時間や形状を変えた電池を提供していく。

最近では、発電所や家庭用蓄電池としての用途も注目されている。自然エネルギーの活用が叫ばれるが、風力発電などはどうしても発電量にバラツキが生じる。これを一時的にリチウムイオン電池に貯めることで電流を整える、いわゆる「整流」の効果があるという。家庭用の蓄電池も、防災用や太陽光発電システムの整流用として注目を集めている。

電池の将来性を感じ、山形県米沢市にある研究所には、全国から開発者も集まっている。電池が自動車の性能を決める時代がやってくるだろう。「日本の科学技術と文化を世界に発信する。」エナックス(株)はそんな使命を負って、今後の世界のエネルギーをも支えていきたいと考えている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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