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フラワー・ロボティクス(株)

■「アジア市場を、農業など"食"で深耕するコンサル会社」

業種:ロボットの設計開発
フラワー・ロボティクス(株)


1970年代の第1次、2000年代初めの第2次に続く第3次ロボットブームが巻き起こっている。過去2回のブームは上滑りした感が強いが、今回は本物だと期待を寄せる関係者が少なくない。ロボットベンチャー、フラワー・ロボティクス(東京)の松井龍哉社長もその一人。同社では、既存プロダクトに"足の機能"を付加して新たな人工物とする「自走式ロボット・プラットフォーム」の開発を進めており、同プラットフォームでロボット市場、とくに家庭用ロボット市場を急拡大させようと目論んでいる。

同社は2001年(平成13年)の創立以来、一貫してロボットの企画、デザイン、設計、開発を手掛けてきている。開発したロボットは、人が近づくとポーズを決めるマネキン型ロボット「Palette(パレット)」や、フラワーガール(結婚式でブーケを手にする幼女)をイメージした「Posy(ポージー)」など、ユニークなものばかり。そこには、ロボットデザイナーとして知られる松井社長の「生活を彩る美しいロボット製品を創る」との理念があり、理念は社名に反映されている。

松井社長は「ロボットは車やコンピューターとは違う新しい道具で、サイエンスとしても産業としても面白い」と捉え、ロボット産業が本格的に勃興し出した今を「100年に一度のゾクゾクする瞬間」としている。若い世代に、松井社長と同じ思いを持つ人が少なくないようで「歴史をつくる一員になりたいと、優秀な学生たちが履歴書を送ってくる」(松井社長)。

現在開発中の自走式ロボット・プラットフォーム「Patin(パタン=フランス語でスケートの意味)」のコンセプトは"ロボット化したスケート靴"家電や家具にスケート靴を履かせることで、人工知能(AI)を搭載し3Dカメラをはじめとする各種のセンサーを備えたスケート靴の働きにより、家電や家具が自律的かつ自在に移動する。例えば、照明器具が人の居場所に対応したベストポジションから光を照らせるようになり、生活空間に新しい景色がもたらされるといったものだ。お掃除ロボットの発展形ともいえそうで、同社では2年以内の製品化を目指している。

「ロボットにはハードウエアが不可欠。そのため、日本の製造業復活の切り札になるかもしれない」。松井社長は産業振興の観点からもロボットは意義深いと見る。同社製ロボットの名前はPalette、Posy、Patinをはじめ、いずれもPから始まる。そこには独特の"ものづくりのPフィロソフィー"があるという。「まず、Philosophy(哲学)ありきで、プランニング、プロトタイプ、プロダクト、プレゼント、パーフェクトと来て、次のPがプロフィットです」(同)。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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