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2004年の記事

 

 

 

株式会社フジコー

 

〜本業を大胆に転換 水戸・卸問屋の挑戦〜
業種:住宅設備機器の卸販売
株式会社フジコー

事業の「選択と集中」が叫ばれているが、実のところ、なかなかそう歯切れよくはいかないものだ。そうした中「考え抜いた末、それまでの扱い商品や得意先と決別し、全く新たな扱い商品と得意先を開拓した。」と大胆な本業転換に挑み、軌道に乗せたのは住宅設備機器の卸販売会社、株式会社フジコー(茨城県水戸市、従業員100名)の里井社長。

同社は1962年の創業。里井社長が創業者だ。もともとはビニルパイプなど水道用配管材の卸販売一筋。県内一円に販路を持つ事業者が無かったこともあって、経営は軌道に乗り、1300社の取引先を築くまでに成長した。しかし、「出来たものを買って卸すだけでは、どんどん利ざやも無くなり、単価も下がる」と将来に展望を開けなくなっていた里井社長、考えに考えて地域密着型の問屋への生き残りを決意した。システムキッチンやトイレ、バスなど住宅設備機器、建材の工事も行う卸商へと大転換、得意先も水道設備店から建築工務店にすっかり切り換える、という「選択と集中」を断行した。1997年のことだ。

里井社長は、事業転換に当たり、自ら社員に地域密着の必要性を説き、社内コンセンサスを形成するとともに、社員といっしょに3年かけて既存取引先への説明、新規仕入先・取引先の開拓を行うという大転機に並々ならないリーダーシップを発揮した。

工事込みの完成品販売に切り換えたことで、無用な価格競争から脱却でき、工事込みという付加価値がつき販売競争力も強まった。その結果、転換時は売上げこそ減少したものの、利益は多く出るようになり、不退転の転換は軌道に乗ってきている。「工務店さんは技術はあるが、営業力というのは難しい。そこをお手伝いし、提案をし、共にお客さんの所で営業活動をする。そして、工務店さんが家の受注をできるように我々がやらして頂く。それ以外にわれわれの生きる道はない」と里井社長。地域密着、顧客密着戦略はこれから本番を迎えようとしている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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