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2011年の記事

 

 

 

緑屋紙工(株)

■「封筒屋どっとこむ」

業種:封筒メーカー
緑屋紙工(株)


本社を訪れると緑一色のビルが目に飛び込んでくる。創業時、辺り一面田畑で建物がなかった所に社屋を建てた。緑屋紙工(株)という社名はそんな状況を映した創業社長のこだわりであり、ビルの色も同様だ。今、同社は昭和37年(1962年)の創業から50年近く経て2代目社長が新たな挑戦を行っている。

社員約30人を率いる薮野浩明社長は33歳で社長に就任。現在、在任期間は約15年になる。同社は設立以来、大手封筒メーカーの下請けとして成長した。同社長の日課も就任当初は「朝起きて注文のファクスを見ること」だった。ところがこうした自分の姿を客観的に見ると「格好悪いし、寂しい自分が見えた」。それから何とか営業力をつけねばと自分に誓う。

同社は元々別注といわれる規格外のオリジナル封筒の製造・加工を得意とする。特に大手メーカーが手掛けにくい「窓」付きの、小ロットで手間暇かけた封筒づくりでノウハウを築く。今ではタガネ(型)を700種以上も保有し、貴重な財産になっている。ただ、これも景気低迷で帳票類の需要が減少、新たな発想が求められた。

そこで同社長は当時、業界には発想がほとんどなかったインターネット販売を思いつく。平成11年にまずドメインを取得、ネット開設の準備を重ねて平成19年に「封筒屋どっとこむ」を立ち上げた。このサイトの特徴は希望サイズ、窓の有無、紙の種類など手順に沿って入力するだけで、見た目を確認しながら封筒見積もりができること。反響は予想以上だった。

現在では従来の業務であるリアルの販売2に対しネット販売1の売り上げ比率に。ネット販売がまさに救世主になった格好だ。これに伴いネット販売部門を平成20年に分社化。社員に商品開発、営業意欲が以前より格段に高まった。新商品では斬新なデザインを施した「窓」を備えた封筒などが続々誕生。「今の姿の方が先行き明るいし、やっていて面白いし楽しい」と同社長。経営者としての真の力量発揮はむしろこれからだ。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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