羽二重豆腐株式会社
■古都の伝統にこだわり商品開発
業種:凍豆腐メーカー
羽二重豆腐株式会社
どこの地方にも伝統に裏打ちされた工芸品や地方独特の味が残されている。とりわけ小京都と呼ばれる都市や、古都と呼ばれるところでは使用する食材から完成された商品まで伝統が生きている。食材の加工によって独特の味が生まれることになる。古都金沢でも伝統に培われた食材を用いた加賀料理や和菓子などが豊富である。
大正12年に創業した羽二重豆腐株式会社は金沢市に拠点を置く凍豆腐メーカーだ。金沢発の会社である羽二重豆腐のキャッチフレーズは「私たちは、古都金沢市で健康と美しさの調和を創造しています」だ。「金沢の良さは何かを考えると美味しさと美しさに対するこだわり」(藤原英二社長)だという。古都に身を置く老舗企業だからこそ言える言葉であり、創業以来、金沢の「食」にこだわりを持っている。
「金沢の歴史と食文化を学び、食の原点を認識して食生活を豊かにする伝統の味をお客さまに届ける」(同)ことを常に念頭に置いている。同社が使用する食材は主に大豆である。食の原点となる素材として大豆にこだわった金沢の味を追求している。無論、食品添加物は一切使用せず自然で安心できる食品開発を進めている。
凍豆腐でスタートした同社は、豆腐ハンバーグや豆腐ステーキ、とうふサンドなど豆腐を現代人好みにアレンジした製品のみならず、古都を意識した角揚げ、がんも、巾着などバリエーションが豊富に揃っている。これらは「名月がんも」「兼六がんも」「鹿の子あわせ豆腐」「姫こうや」など古都にふさわしいネーミングも多い。見た目も古都にふさわしいものが多く、黒漆のお盆に並べると和菓子の趣さえある。
「わが社の製品は大豆を原料としているだけに超高級品とは言い難いが、美味しさ、美しさに対するこだわりを製品の隅々まで織り込んでいる」(同)。デパートの高級弁当に同社の凍豆腐やがんもが使われているだけでなく、高級料亭の懐石料理にも使われるほどだ。「わが社の製品は素材としての力を持っている」(同)。金沢の良さを商品に取り込み、その商品を普及させることが古都金沢の企業として生き残っていくポイントといえそうだ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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