花のようなケーキ
■「シュガーケーキを広めたい」
業種:シュガーケーキ製造販売
花のようなケーキ
日本経済のバブル絶頂期の頃、就職したばかりの小林恵理子代表は休暇に英国旅行に出かけた。現地のショーウィンドーで初めてシュガーケーキを見た。「雷が頭から落ちたような気がした」ほどの衝撃を受けた。「私、これやりたい!」―帰国後、同代表は会社を辞め、シュガーケーキの制作を学ぶため再度英国に渡った。
こうして30歳前後で、「花のようなケーキ」(静岡県浜松市)を起業した。このシュガーケーキは、中に賞味期限が2週間ほどという、フルーツがたっぷり入った美味しいフルーツケーキが入っており、それにバラやカーネーションといったシュガーで手作りしたクラフト部分でカバリングしている。まるで芸術作品を思わせる精緻な作り方で、シュガークラフト部分は装飾品として鑑賞でき「湿気に気をつければ100年はもつ」という。
英国では19世紀のビクトリア女王時代から作られ始め「日本で知られるようになったのはダイアナ妃のウエディングケーキがきっかけ」。「中は食べて美味しいし、外部は見て楽しいメモリアルケーキ。夢がありますね。これまでお客様から溶けてしまったというクレームは1件もない」と商品には自信がある。
販売ではネットショップも行い独自のノウハウで箱に詰め全国配送(宅配)している。「宅配できるのはおそらくうちだけ」ともいう。小林代表はほかにシュガーケーキの教室を開いているほか、地域の特産物やいつもは廃棄している食材などを使って新商品を作るなどお菓子のレシピ開発も請け負っている。
起業当時はシュガーケーキを結婚式場に売り込みに行ったが、結婚式の内容が変化してしまった現在は、販路開拓のターゲットの一つとして海外市場を狙っている。まず中国の富裕層に的を絞り「このきれいなケーキを婚礼などで使ってもらえばなあ」と頭に描く。同代表の海外との「出会い」はそう遠いことでもなさそうだ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
▲ TOP
2011年の記事に戻る