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2011年の記事

 

 

 

 

八水蒲鉾 株式会社

■「「八幡浜かまぼこ」の新市場開拓に全力」

業種:じゃこ天等、魚肉練り製品の製造販売
八水蒲鉾 株式会社

地域資源を活用して共通の商品をつくる事業者が集まって株式会社を作り、地域の発展に努力する−こんな形で事業が進めば強い企業力を発揮できる可能性が広がる。愛媛県南予地方の名産品「じゃこ天」などの練り製品を製造販売する八水蒲鉾(株)(愛媛県八幡浜市、鈴木學社長)は今、「八幡浜かまぼこ」の歴史と伝統を背に今後の発展を目指し奮闘中だ。

八幡浜地区は四国でも屈指の魚の町。宇和海で獲れる新鮮な魚を原料として古くから竹輪、天ぷらを製造し、明治に入ってからは本格的な蒲鉾製造も始まった。同社は1957年(昭和32年)9月、地元の蒲鉾屋さん8社が集まって設立されたのが始まり。その後じゃこ天などが消費者の評価を得、四国から中国、九州にかけてどんどん出荷を伸ばした。

ただ時が経つにつれ工場が手狭になり設備の老朽化も目立ってきた。そこで同社は創業50周年を機に本社事務所・工場を新築移転した。それから今年で5年目。新本社工場は約2000坪もの広大な建物床面積に揚げもの、竹輪が各5ライン、蒲鉾3ラインなど強力な生産能力を備える。まず製造インフラは完備した。次の課題は「新鋭設備を生かすための市場開拓」(橋本修専務取締役)。ただ同社のマーケットは現在、限られた地域にとどまることや若年層の魚離れが魚肉練り製品の需要減に影響するなど厳しい環境にある。

このため「市場が大きい大都市圏へ進出する」(同)との方針を打ち出した。現在、「年末には大阪に打って出る」(同)めどがついたという。一方、より高度な加工技術の確立やこれまでと違った分野の開拓も必要と判断。その一環として平成18年から愛媛大学と県産業技術研究所に魚肉のレトルト食品、ドライフーズ食品の開発を委託してきた。この事業は国の地域資源活用事業に認定され、このほど待望の新商品が完成したところだ。現在は大消費地・東京にも売り込みをかけている。

同社のモットーは「当たり前のことを当たり前にやること」(同)。実際の経営にあたる場合、これはなかなか難しいことだが、急ぎすぎると足元を見られ往々にしてうまくいかないことがある。社名と商品の知名度向上に傾注しながらも「急ぎすぎず地道にそして堅実に」(同)を合言葉に新市場開拓に挑む。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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