協同組合八戸綜合食品センター
■複合化で“新名所”に再生した郊外型食品市場
業種:市場型共同店舗
協同組合八戸綜合食品センター
「活性化に向けて取り組んだのは、共同店舗化という常套手段だが、その成果をあげた原動力は若い力だ。若い世代のアイデアと積極的な実行力が経営に新風を巻き起こし、郷土の新名所をつくりあげた」と話すのは、活力を取り戻した商業施設として注目されている「協同組合八戸綜合食品センター」(八食センター、八戸市、組合員53人)の福田理事長。
八食センターは、“魚のマチ・八戸”イメージを前面に、鮮魚店を中心とした59店が軒を並べる市場型共同店舗である。本センターは高度化融資制度を活用し、共同店舗化した。魚介類のほか、朝収穫した野菜、果物から加工品までの食材が揃い、惣菜屋、食堂、寿司屋もある。日曜日には近隣の三沢米軍基地の人達も参加する"日米フリーマーケット"が賑わい、"料理道場"や子供向け
映画会などのイベントも好評。
しかも、八食センターを中核に、東北地方最大の中古車展示場とホームセンター、大型書店を加えて大規模な商業エリア『八食パワーズ』を形成。そして、東北新幹線八戸駅開業を機に、団体客に対応する800席の大飲食棟『厨(くりや)スタジアム』を新設し、八戸駅と同センターを結ぶ百円シャトルバスを運行するなど、異種店舗の複合化による“ハードとソフト”の相乗効果を発揮、いまや新たな観光スポットに生まれ変った。
とはいえ、当初から順調に推移したわけではない。全国でも珍しい郊外型食品小売市場として開業以来24年目になるが、一時は来客数が落ち込み空き店舗が目立ち、リニューアルしたものの冷夏の影響で再び厳しい状況に直面するといった苦難期を経験している。
苦境を打開したパワーは、若い世代であった。共同店舗化して24年の間に、会員店舗の経営者も組合役員も若返った。この若い力が複合化を積極推進し、地域社会と連携した空き店舗対策やイベント開発に取り組んだ。その結果、従来以上に商圏を広げ“地域の顔”となるショッピングセンターとして再生することができたという。
八食センターの来客数は、開業当初年間126万人程度。それが今日では、230万人と倍増している。若い世代が創りあげた「魅力ある店の集合体」にこそ集客倍増の秘策が込められている!
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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