企業組合ひがしむら
■企業組合をご存知ですか?
業種:デイサービス、ショートステイ、訪問介護
企業組合ひがしむら
現在、全国に2,500の企業組合が存在する。企業組合制度の歴史は古く、今を遡ること60年前の昭和24年に個人が自らの資本と労働、簡単に言えばお金と体を使って、自分の働く場を創り出す組織として創設された。
これからご紹介する「企業組合ひがしむら」は、長野県でデイサービス、ショートステイ、訪問介護を行う宅老所だ。介護の職場で働いていた同僚が、アクセク働くのではなく、働く人のおかれている状況に合った、ゆとりのある働き方をしたいという想い、それにもまして規模の大きな介護施設ではできない“利用者1人ひとりに対するきめ細かなサービス”を提供したいという共通の想いが宅老所を作るきっかけであった。
想いは実際の活動内容に現れている。通常行っていない土日のデイサービスも利用者が必要とする場合には、実費(介護保険の適用なし)で行う。ショートステイにおいても、利用者のニーズに応えて散歩やドライブの付き添いをしたり、訪問介護の利用者で買い物に付き添いが必要な場合は、買い物という行為には介護保険が適用されないため、買い物時間にのみ身体介助を適用し、往復の移動時間はボランティアで対応するというように、利用者の立場に立った活動に尽力しているのである。
それだけではない。質の高い介護を保つため、全員が看護師・准看護師、介護福祉士、調理師、2級ヘルパー、ケアマネージャーの資格を複数取得。にもかかわらず、この活動に関わる人は、職種が同じであれば、給料も単価も全て同等である。
こうしたことは、会社でも他の組織でもできる。ではなぜ企業組合という組織を選んだのか?それは企業組合が持つ大きな特徴に起因する。企業組合は共に働くという組織であり、制度の上からも、組合員に対して組合の事業に従事する義務(組合員比率、従事比率)が課せられ、なおかつ議決権も会社と違い、平等(1人1票)という点である。
このような制度的な特徴が、「生きがい・働きがい」あるいは「自己実現」が重視される社会の流れと相まって、地域や社会に役立てる仕事、すなわちコミュニティビジネスやソーシャルビジネスを担う組織として活用されており、今後ますます輝きを増していくのではないだろうか。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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