(株)フリール
■医療業界初の“出前検診”に夢をかけるパイオニア!
業種:医療関連ベンチャー
(株)フリール
「全国津々浦々に最新鋭の医療設備を搭載した“検診車”を走らせ、何処でも、手軽に、高度医療を受けられるようにするのが最終的目標」と、目を輝かせて新事業の展開を語るのは、医療関連ベンチャー企業「(株)フリール」(東京都新宿区、従業員60人)の平川社長。
その新事業とは「メディカル・モバイル・サービス」のことである。通常は病院等に固定して使われるCT(断層像撮影)装置やMRI(磁気共鳴画像検査)装置等の高度医療設備を車両に搭載し、移動検診室として専門医・技師を伴って各地を巡回し、医療機関等へのレンタルも行うという事業である。欧米では普及しているが、日本では同社がパイオニアにして唯一のサービス会社である。
もともと同社は、平成4年、医師でもある平川社長が中小病院への超音波診断装置や電子内視鏡のレンタルに着眼して創業したが、阪神大震災の際に交通マヒや停電で病院の医療機器が利用できなかった状況を目の当たりにして、移動式の医療装置レンタル業に本格進出した。これが評判を呼び、独自のビジネスモデルとして確立された。
医療機関が高度な医療装置を導入するとなると、多額の設備投資やメンテナンス費用の負担が伴い、装置を操作する技師や読影する専門医の確保も容易ではない。その点、検診車なら、必要な時、必要な場所で低コストで利用でき、わざわざ都市部の総合病院にいかなくても手軽に検診が受けられる。言わば、“出前検診”サービスの便利さがセールスポイントの事業である。
移動検診車は、欧米ではトレーラー型が多いが、同社は日本の道路事情を考慮した世界最小のMRI搭載車等をメーカーと共同開発し、電源車と連結すれば災害などによる停電時にも対応出来るようにしている。とりわけ過疎地域や地方部でのニーズが強く、現在、全国11支店で17台が稼動中であり、民間の医療機関だけでなく、行政による住民検診用にも利用されているという。
「より良い医療を、何処でも、誰もが、安く受けられる社会」を理念に掲げる同社。“社会貢献”という事業スタンスで新たなマーケットを作りつつある。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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